愛知県の日進市でおこなわれた花火大会で、打ち上げ予定だった福島県産スターマイン80発が放射能を心配する市民の抗議により急きょ他の地域の花火に差し替えられた。日進市の市長は,「結果的に福島県の方々に大きな迷惑をかけて申し訳ない。被災地にエールを送るつもりで、福島の花火業者を指定して企画したが、市民の不安にも答える必要があり、実行委も打ち上げを判断仕切れなかった」という。
東北の人々の気持ちをもてあそび,福島の物は何でも放射能がついているという風評被害を全国に広める結果となった。だから,東北の現状や東北の人々の苦しみが実感としてよくわからない遠くの地域の人々や自治体が各自の判断で復興にかかわってはいけないと言っているのである。どうしても思い付きや軽い気持ちでの行動になってしまうのである。私が実際に南のほうに行って人々と接した時,地域や団体で鶴を折ったり寄せ書きを書いて壁に張ったりしていたが,どうも他人事のような気持ちで楽しんでやっており一つのイベントのように感じられた。やはり被災地までの距離がそうさせているんだなあと思った。
善意に解釈すれば上のようなことになるかもしれないが,前回の京都と今回の愛知の事件をよくみていると,自分たちの街の評判や行事のために「復興」を利用しようと考えて行った可能性も捨てきれない。いずれにせよ,西日本の人々や自治体は,各自の判断でもう復興にはかかわらないことだ。次にやったら3度目である。その自治体は明らかな確信犯とみなされても仕方がない。