小宮山厚生労働大臣がたばこ税の増税を口にしたことが話題となっている。1箱700円位にしたらどうかというものだった。これに対し安住財務大臣が,たばこだけを取り上げて大きく増税をするのはバランスに欠くとして不快感を示した。
 私は個別の品物を取り上げてそれは高い税率にしたほうがよいということがバランスを欠いているとは思わない。なぜなら全ての品物は,前提というか状況(例えば危険性がある品物であるとか他人に迷惑がかかる品物であるとか希少価値が高い品物であるとか高い関税がかかる品物である等々)がそれぞれ異なるからだ。その状況に応じて個々の品物にかける税の増減は当然である。全ての品物の税率がほぼ同じでなければバランスを欠いているという指摘はおかしい。現在でもビールと自動車とガムにかかる税率はすべて異なっている(酒税や重量税など)。様々なことを考慮しての結果だ。総合的に考えることなく単に「1つだけならずるい」というのは,幼稚園児の喧嘩と同じレベルの意識である。
「小宮山氏はタバコが嫌いなんですよ」とも安住氏はたたみかける。小宮山氏がたばこを嫌いだから合理的な理由がなくても税率が極端に高くなることはない。だから小宮山氏がたばこを好きでも嫌いでもどちらでもよいことなのである。
 安住氏の発想は短絡的で子どもっぽい。この安住氏の能力に日本の経済をかけてみる野田氏の見識や能力も疑わざるを得ない。日本経済が取り返しのつかない事態に至らないことを祈るばかりである。