総選挙や党の代表選などが近づくと,議員たちは「政策,政策」と騒ぎ出すが,政策などは大切でない。なぜなら,誰も的外れのことを言うはずがないし,仮に言ったとしても出ている釘は当選後に打たれ,均されるからである。状況によっては党として決めた命ともいえるマニフェストさえご破算になるのである。
 大事なのは「数(かず)」と「政治家としての力量(経験と知識,そしてカリスマ性)」である。特にカリスマ性が重要で,そもそも理念や考え方の違う議員たちが全員野球などできるはずもなく,それらの議員を有無を言わせずにとりあえずまとめるために必要なものがカリスマ性である。数十年前の自民党がなんとかまとまってやってこれたのは,総理になる人にカリスマ性があったからである。これがないと,末端に至るまでのすべての政治家が勝手なことを言ったり批判をしたりするのである。
 繰り返すが,代表や総理に大切なのは政策ではなく,数と力量の2つである。この2つが民主国家をよりよい方向へ導いていく。民主党内がいつまでもまとまらずに混とんとしているのは,全員野球をしようとするからであり,力量のない者が代表となるからである。