脚本家からお坊さんまで集めて行われていた大震災復興構想会議はいったいどうなったのだろうか。もし提言が出されたとしても,東日本の街づくりに生かされることはなく,やはり政治家によって経済中心の町や社会に戻すのだろう。
 復興構想会議には脚本家や哲学者など各界から優秀な人材を集め今後の東北の在り方について考えてもらうと菅総理が話した時,もしかしたらこれまでの日本とは全く違った人間中心の社会(イメージ的には北欧の社会や人々の生活をさらに突き詰めた理想郷のような社会)が東北につくられるのかもしれないというわずかな期待を持った。しかし,また同じ社会に戻そうとすることしかできず,その過程においては汚染廃棄物の押し付け合いや農産物産地偽装など,人間の汚い欲が蔓延している。
 地球の理想郷が日本の東北にできるのでは…,とわずかな期待をした私が馬鹿であった。これからも人間は家族や自分の人生を犠牲にして馬車馬のように仕事をしつづけ,経済第一主義のもとに環境を破壊し,自滅をしていくのであろう。なぜこの道を選ぶ?