「食べて被災地を応援しよう」とは,お菓子や食品メーカーのHPによく書いてあるキャッチフレーズである。ろくに検査もしないで何を言っているんだ,よくそんなことを大きな声で言えるなあと私は思ってしまうのだが,多くの企業や国民はこのキャッチフレーズに賛同したりするのだろうか。私にはその気持ちがわからない。感覚として被災地を助けようという気持ちはわかるが,放射能が大量に入っている可能性があるものを食べることで助けるんだということは想像ができない。
 大手お菓子メーカーのアイスクリームには南相馬市の牛から搾った生乳が使われているものがある。その生乳の放射能量は検査してから使われていたのだろうか。そのメーカーに問い合わせてみた人の話によると,メーカー側の回答は「国や自治体が大丈夫と言っているから大丈夫」というものだったそうだ。だって,多くのセシウムが含まれた牛肉が5月と6月に「大丈夫だ,安全だ」となって市場に出ていたではないか。そのアイスの説明書きを見ると「厳選した生乳をたっぷり云々」とある。セシウム入りを厳選しているのかと言いたくなる。食品メーカーに倫理などあるわけがないと実感した。そもそも会社の目的が利益なのだから,その利益に優先するものなどあるはずがない。
 牛乳もある大学の教授の話だと福島産の生乳を西日本の生乳と混ぜて,その西日本の牛乳として販売されているそうだ(全てではないと思うが)。
 アイスと牛乳のことだけを書いたが,個人的には現在飲食品は検査も販売もすべてめちゃくちゃになっていると思っている。スーパーで野菜を見ると「○○産」と書かれているが,それも本当である確証はない。ほとんどが食品関係者のモラル(想像できるだろう)に任されている。現在セシウムがたくさん入った牛肉で大騒ぎになっているが,何をいまさらと思うのである。太平洋沿岸の漁港で水揚げされている魚は心配しないの?
 飲食品メーカーや国民の考えは,もう私の理解の範疇を超えている。