ヒューマンエラーをゼロにすることはできない。だから原発も危険なのだという話をしてきた。このヒューマンエラーはもちろん原発に限ったことではない。
 今日のニュースで,大阪で乳児に対してBCGの注射針を使いまわした可能性があったと伝えていた。今後は看護師の人数を増やすなどの対策をとるという。少し前にはどこかの病院でCTの写真を裏返しに見ていて正常な部位の頭蓋骨に穴をあけてしまったという事件もあった。確かそこでもチェックをする看護師や医師を増やすということだった。
 はたしてチェックをする人数を増やすと安全になるのだろうか。以前,飛行場の管制官の勘違いで,滑走路上で飛行機同士がぶつかりそうになったことがあった。管制室にいた複数の管制官全員が同じ勘違いをしていたということだった。勘違い,思い違いというのは,得てしてそのような集団性のあるものではないだろうか。何かあった時,数万人単位で簡単にパニックが簡単に起こることとも似ている。
 いくら人数を増やそうと,どんなことをしようとヒューマンエラーをゼロにすことは絶対にできないだろう。能は高度な思考や判断力ができるようになっているゆえにファジーでもあるのである。