違和感のある菅氏の行動

　原子炉内の温度やプールの温度など，福島原発の細かなデータが毎日公表されているが，時々「計器を調整し直したら…」という理由によって後に数値が大きく変わったりもしている。この理由が通用する以上，現在毎日公表されている数値も実は全部違っていたということもありうるのだろう。未だに測定不能としている場所があるのもどうかと思う。
　菅氏は延命に必死で，国会議員も多くの国民もマスコミも非難をしている。「いや，延命しようとしているのではない」という人もいるかもしれないが，先日菅氏自身がエネルギー法案を成し遂げたい，この作戦（次々にやりたいことを出して延命していく作戦）でこれからもやっていきたいと笑いながら話していたので，何とか延命しようと努力していることは間違いないのだろう。
　私も菅氏は見苦しい，変だとこのブログで非難をしてきた。しかし菅氏はもともとおかしな人物ではなかったはずだ。特異なクセのある議員でもなかった。人を思いやり正義を貫く，どちらかというとまともな議員の部類に入っていた。それがなぜ今のようなふざけた行動をとっているのだろうか。いろいろ調べながら菅氏になったつもりで考えてみた。
　京大の研究者が言うには，空焚きの時間が長かったので溶けた高温の核燃料は水のない中で圧力容器の底も格納容器の底も溶かしその下の厚いコンクリートまでいき，一部は地下水まで達していると思うと話している。それを証明するように，地下水からはプルトニウムが検出されたことや，地下水脈から海に流れ出ないように大きな壁を原発周辺の地面に埋め込んであの一帯を覆う計画をしていることを保安院や東電が発表している。だが，もしこの京大の研究者のいう通りだとすれば，今更上から水を流し込む必要もない。もちろんあのような大がかりな循環型の装置をつくったりすることも意味がない。菅氏のやりすぎとも思えるほどの自分への注意の引き方といい，どういうことなのだろうか。
　よく考えてみると，もし溶けた核燃料の一部がすでに地下水脈まで達し，これからすべてが落ちていくことを止められないと仮定した場合，私が菅氏の立場だったら菅氏と同じ行動をとるかもしれない。詳しく書くことは，煽るとか風評被害を起こすなどと言われかねないのでやめるが，菅氏は総理という立場なので当然すべての事実を知っているだろう。全てを知りしかも国民の責任者として，何と言われようとも国民にとって最も良い態度を現在必死になってとっているのかもしれない。これは私の単なる思い過ごし，妄想である可能性が非常に高いと思うが，０％の確率でもないだろう。