先ほどNHKのニュースで,南シナ海の島の領有権について在日ベトナム人が東京で中国に対する抗議のデモを行ったと報じていた。日本ではデモそのものが少ないので,小規模なデモであってもニュースで取り上げられる。
 ところで,この間数万人規模の脱原発のデモが行われたことをいったいどれほどの国民が知っているだろうか。私が見た範囲ではデモのニュースはテレビでは取り上げられていなかった。反原発の動きが日本全体に広がったらまずいのだろう。もちろんテレビ局レベルの判断ではあるまい。政府の稚劣な判断とその通りに忠実に動く国民…。安っぽい茶番劇だ。「いや,俺の意見は俺が考えて決めたんだ!」という人々も国民の中にはいるかもしれないが,そのように決めるための材料(情報)はどうやって手に入れたのだろうか。マスコミの情報が操作されている以上,国民自身の意志や意見などない。政権争いなどのくだらない出来事はカモフラージュのためにマスコミに自由に報道をさせているが,重要な事項については世論操作をされている。中国政府は,悪いことは中国国民に伝えない国であると日本では中国を社会的に発展途上の国のように扱うが,日本も中国と同じである。いや中国ではそのことに中国国民自身が気づいている分,日本より発展しているといえるのかもしれない。
 亡くなった作家の小田実氏は,私が学生の頃になぜか私の行く先々の学校の教師をしていたものだった。英語などの授業であったが,それとはまったく関係のない政治や社会にかかわる公にできないようなことをいろいろと聞かせてもらった。例えば,これはのちにニュースでもスクープとして報道されたのでよいと思うが,日本がどこかの国と戦争になった時,マスコミを使って数週間でほとんどの日本人が「俺も戦うぞ!正義のためにあのような国をやっつけなければ!」という思いになるように,1日目にはこのようなウソの情報を流し,2日目の午前には…と綿密な計画表が存在するので,日本に徴兵制度があってもなくてもどちらでも関係ないという話だった。その計画表によると,テレビやラジオ,新聞などを使ってもどうしても洗脳出来ない数パーセントの国民は外国に逃げるために飛行場に行くそうで,そこを捕まえて身柄を拘束するところまで詳細に流れが書いてあるとのことだった。誰も戦争から逃げられないそうだ。しかし,あれから30年ほどが経った。時代は変わり戦争の仕方も変わったので,現在もその計画表通りに実行されるかどうかは疑わしい。核ミサイルの話も聞かせてもらった。小田氏の教え子がそのプロジェクトにあたっていて,その人物から小田氏が直接聞いた話だった。これはまだ公になっていないからやめておきたいが,我々の知らない重要なことがたくさんあるのである。
 福島原発において,低レベルの放射能汚染水が大量に海に放出されたが,あれは嘘であるという専門家もいる。外国にまで発表したのでおそらく本当ではないかと思うのだが,それも嘘を強固に隠すための大芝居と言われればそうなのかもしれない。とにかくどちらが本当か私も含めて国民にはわからないことである。
「今あなたが真実だと思っていることは,本当に真実なのかわからない」。真偽を確かめることはできないのであるが,このような意識を持って情報に接することは,少しは何らかの役に立つのかもしれない。