内閣不信任決議案が否決された菅総理は記者会見において,「一定のめど」とはいつかとの質問に,笑いながら「一定のめどとは言葉通り一定のめどだ」,「代議士会で言った通りだ」と繰り返し,煙に巻くことを楽しんでいるようだった。再三の質問に最後は「原発が冷温停止をした時が一定のめど」と答えた。工程表通りに行ったと仮定すると,それは来年1月である。記者会見の時ではないが,側近に「俺は総理はやめない」と話しているとニュースでも伝えている。そうなると,総理が意図的に冷温停止を送らせてしまうのではないかという疑念も生じてしまう。
 辞任が最も早い来年1月だとしたらそれまでの半年余り,諸外国は間もなくやめることがわかっている日本の総理と真剣に話し合ったり交渉をしたりするだろうか。日本の領土を奪おうと努力しているいくつもの周辺国は,強く真剣に抗議をしてくる代表がいない隙を狙って実効支配を強化してこないだろうか。菅総理の態度は,原発対応や地震の復興対応,国内政治,外交において,非常にマイナスである。
 菅総理の歯車がおかしくなり始めたのは,自分の周辺を反小沢で固めてからではないだろうか。自民党の谷垣総裁も,それまで異常なほどのヤジや他人への批判で目立っていた人物ばかりを自分の周辺を固めてから,以前の谷垣氏とは全く違ってしまった。長たるものは自分の周辺にどのような人物を置くか,非常に重要だと感じた。
 最近の菅氏の顔の表情や態度(体の動き),発言,政治行動などを見ていると,普通の状態ではないように感じる。これでは判断や指示も誤るだろう。挙党体制でみんなで頑張っていこうとしていた時(岡田氏を自分に近寄せる以前)の菅氏には好感が持てたので,今でも政治を離れた一人の人間としては好きである。だから今の菅氏が本会議中などに突然倒れたりしないかハラハラしたりもするのである。
 菅氏が今すぐ辞任をしても,今以上に避難者への対応や被災地の復興,原発対応が遅れたり悪い結果になったりすることはないし,党内の体制や国会運営(野党との協力)なども今以上に悪くなることはないので,菅氏は自分が辞めても何も心配することはないのである。自分の仕事を途中で投げ出したくないといって居座っているが,投げ出してくれたほうがみんな助かるのである。辞任をすることに責任を感じたりすることはまったくない。一刻も早く退陣をし,休暇を取ってもだれも困らないのでゆっくりとお遍路周りをして体も心もいやしてもらいたいと思うのである。