ドイツと日本の違い

　ドイツが国内すべての原発を停止することを決定した。１０年後までには自然エネルギーの占める割合を現在の１７％から３５％まで引き上げるとのことだ。
　この前のＧ８で，日本は今後も原発を一つの柱とすることを宣言し，１０年後までには自然エネルギーを２０％まで引き上げるなどと自慢げに表明していた。大きな被害をこうむった当事者の日本がいうことだろうか。ドイツに比べると，とても恥ずかしい内容だ。日本は，仮にあといくつかの原発が壊れて日本全土が壊滅状態になったとしても，自分たちがどういうことをやってきてその後どうすればよいのかということは，本当の意味ではわからないのであろう。日本が全滅したあとに，アメリカやフランスから「どうせならもっと原発をつくれ」といわれれば日本は断れずに原発をつくるのだと思う。日本は国家としての強い意志を持たない世界で唯一の国である。
　科学技術はマネをすることによって短期間で発展させることはできるが，人々の意識や社会を成熟させるためには非常に長い年月を必要とする。たかだか戦後六十数年では，まだまだ表面をつくろっている愚かな野蛮人のままなのであろう。