今朝,ネギもトマトも安全なのに風評被害で売れずに半分以上を廃棄しているという福島の農家が紹介されていた。
 現在,福島県では毎日ほかの県よりも高い放射能が検出され,学校では子供たちは外で体育ができず,公園の使用も1日1時間以内となっている状況だ。これは原発近くの村の話ではなく,何十キロも離れた福島市の話だ。福島県だけではなく隣の茨城県や栃木県,さらに隣の埼玉県や千葉県の野菜などからも国の基準値を上回る野菜が出ている。つまり,福島原発から100~200㎞くらいの範囲(とくに南部)には,ほぼまんべんなく国の基準値を超える放射能は降り注いでいると考えるのが自然ではないだろうか。さらに言わせてもらえれば,ごく限られた放射能核種の放射線量しか検査をしていないこと,検査ポイント(農作物や肉,土壌など)が非常に少ないということを考えると,降り注いでいる放射能の量はまずいレベルではないのかと考えるのが自然ではないだろうか。
 このような環境下においてつくられた福島のネギやトマトではあるが,この野菜だけはなぜか本当に国の基準を上回る放射能が入っていないというためには,「日々」の詳細な放射能検査しかない。それなくしては,この野菜は放射能汚染はされていない,風評被害だとは言えないはずであろう。司会者やコメンテーター,国民は,このような野菜を食べるのが日本人の心意気だとか風評被害をぶっ飛ばせなどと言っているが,危険性のあるものを食べてまで農家の人を助けることは正しいのだろうか。
 とにかく,大気でも海でも農作物でも畜産物でも,すべての放射能核種についての日々の詳細な検査を行うしかない。