さらなる厳格な基準を求める

　民主党の岡田幹事長が食品衛生法の基準値について，「少し厳格さを求めすぎている」「心配ないものは心配ないときちっと言えることが必要だ。科学的な厳格さを求めすぎれば風評被害になる」と指摘したそうである。
　これは間違った認識である。安全基準値が厳格であるからこそ，かろうじてパニックや風評被害が起きないのである。ごまかしやゆるい放射能基準値による安全宣言は，国民に大きな不安と恐怖を与え，本当に安全な野菜についてまでも疑心暗鬼にさせることだろう。
　国民の心理もわからず，先見性が欠如した人が幹事長としてこの世界的な事故の処理にあたっているとは，がっかりというかなんとも不幸なことである。厳格な基準が安心を生み，より良い対策（国民の健康を考えた，嘘やごまかしのない対策）につながっていくのである。
　もちろん福島で今後野菜を作れなくなると農家の人がかわいそうであるというのはわかるが，それは仕方のないことだろう。現在，そして将来の日本人数千万人，数億人の健康や命にかかわる問題なのである。天秤にかけるまでもなく結論は出ている。そのかわり，福島やその近県の農家の人たちには，東京電力や国がきちんと補償をしてやるべきであろう。