相撲での八百長が明らかになった。複数の元力士達が、「十両も含め多くの取り組みで八百長が行われていた」「お前も八百長に加わらないと、かわいがり(いじめ)があるぞと言われた」「八百長は相撲のルールだった」と実態を話していた。「膿(うみ)を出し切るまでは相撲を行わない」とは相撲協会理事長の決意だが、これまで長年にわたり恒常的に行われてきた八百長をどこまで明らかにできるというのだろうか。理事長は、「過去には一切なかった新しい問題」とも話している。力士達もひどいものだが、相撲協会も全面解決をするための認識や決意、調査能力が全くないように感じられる。まあ、相撲協会の親方達も元力士なので同じ穴の狢(むじな)なのであろうが…。
 いずれにせよ、現在起きている八百長メール問題で、疑惑の力士たちは反省をするどころか携帯を壊したり捨てたりしはじめている。相手はただ者ではないので、相撲協会は早く「証拠隠滅行為をしたものは即除名にする」と明言をしたほうがよい。そして早く調査機関を相撲協会から弁護士による新たな外部委員(大学教授や評論家、親方などではいけない。できれば背信行為として警察に捜査を依頼してほしい)に移行をさせたほうがよい。
 結論を言うと、八百長は長期間にわたり広範囲で行われてきたし、多くの力士達は嘘やごまかしを平気で言える倫理観しか持ち合わせていないので、これまでの全ての八百長を明らかにすることは無理である。これから立て直すといっても、そのような土壌はなく(個々の力士の人間性や不健全な上下関係、劣悪な部屋の社会環境などの多くの問題があり)、これも無理であろう。そこで、相撲協会を解体して会社とし、国技とすることもやめ、プロレスのような1つの演芸、娯楽としてみんながハラハラしたり笑ったりしながらみられるものにするのがよいのではないだろうか。そうなることに残念な気持ちはあるが、ここらで実態から目をそむけることなく相撲の在り方を全面的に見直さなければ、今後も多くの疑問や問題点をかかえたまま突き進むことになる。それではもう面白くない。