学校教育と親

　ワイドショーの影響によって、無意味にモンスターペアレントが増大しつつある。親からアンケートを取り、「ずっと悪い成績をつけられた」とか「子どもの話をよく聞かないで注意ばかりしていた」といった教師批判のものを紹介し続けている。効果を高めるために、時々強烈な内容も入れていく。日本中の親達の洗脳が完了するまで、ワイドショーは手を緩めないだろう。マスコミも親達も、こうすればするほど、子ども達が悪く育つ結果になることがどうしてもわからないようだ。親もマスコミも、もっと子どもを大切にしてもらいたい。
「教師」というものは、資格・免許と公の試験（公立学校の場合）に合格する必要がある。資格や免許さえあればなれる弁護士や医者とも異なるし、特に免許や資格がなくても公的な試験に合格すればなれる公務員行政職とも異なる。教師は厳選された専門家であり、国から（直接的には県から）委託されて日本の子ども達を育てているのである。親が自分の思いや感覚、経験で「このように育ててくれ」と学校や教師に注文をつけたりできる世界ではないのである。例え親でも子どもを殺せば逮捕される。子どもは親の所有物ではない。自分の子どもだから好きなように育てていいというわけではないのである。
　子どもも刑法等の法律で守られているように、学校教育でもしっかり育て守っていく必要があると感じている。自分の無知な感覚で学校や教師に難癖をつけようと思えば、どの学校や教師に対してもおそらく何百何千と文句は言えよう。今の親達の言い分を聞いていたら子どもが健全に育たたず、ますますおかしな若者、将来的には口だけが達者の無気力無能な大人で日本中があふれかえることになる。
　日本の学校教育は他の素人からの干渉を受けないように法的整備が早急に必要だ。教師達も、素人に迎合しておかしな教育をしないことを希望する。もし心から学校に協力をしたいと思っている親がいるならば、その人たちにはマスコミのプロパガンダに負けることなく、今後も将来の日本のために理性的に行動をしてもらいたい。
「学校に協力したい」と言ってくる親もいるが、学校としては特に積極的に協力をしてほしいとは思っていない。ただ妨害だけはやめてほしいと願っている。家で学校の悪口を子どもに聞かせたり、学校内のPTA室やスーパーでおかしな情報交換をしたり、教師の悪口を言っている子どもの話をうなずきながら聞いてやったりなど、このようなことをしないだけでも、学校としては大きな協力になっているのである。