小学校教員が、親から長期にわたり文句ばかり言われ仕事や生活に支障がでたということでその親を訴えた。私の立場は、親は学校における集団内での子どもの様子もわからないし、学校教育の専門性も経験もないので(家庭における数年の子育て経験のみなので)、学校における教師達の指導に一切口を出したり、家庭で学校批判を子どもに聞かせて教師集団による教育(自分の子どものための教育なのであるが)の足を引っ張ったりすることを法律で禁止したほうがよいと思っている。法的に無理なら、そのような社会の風潮をつくるべきだと考えている。全ては子ども、ひいては将来の日本のために。

 このような親達が、子ども達を自己中心的で攻撃的な若者をつくりだすのである。50年位前まではこのような親は皆無で、教師も今と比べ物にならないくらいに厳格であったために、今のような教育問題やおかしな若者の出現もなかったし、そのようにして育った人々が道徳的にも経済的にも世界トップの社会をつくってくれた。このように思いを馳せると、今の親達に「家から出ずに黙っていろ」と言いたくもなる。日本を後退させる重大な犯罪行為に等しい。
 なぜ現代の親は、まったくわからない学校教育に対し口を出したり批判をしたりするようになったのだろうか。それは、今の親達が小・中学校時代に「個性尊重」の名のもとにワガママな自己主張や行動を学校が許して育ててしまったことが大きい(これは当時の文部省の方針であった)。これは今さらどうしようもできないことだ。
 この理由以外にもう一つ、マスコミの影響というものが少なからずある。今朝、テレビで衝撃的なことを聞いた。教師が親を訴えた件で、テリー伊藤氏が、モンスターペアレントに対するマニュアルなどの紹介後に「こっち側が先生を育てるということも必要だ」と話した。全国で数万人の若い親達がこれを見たであろう。モンスターは「その通り」とさらに自信を深め、モンスターでない親は「そうなのか」と学習してしまった。専門性もない司会者やコメンテーターとはなんと無責任で恐ろしい職業なのだろうか。