与謝野大臣

　与謝野馨氏がたちあがれ日本を離党し、経済財政担当大臣となった。与謝野氏は、今まで民主党を批判してきたにもかかわらず大臣になるためには手段を選ばないひどいやつだとたたかれている。
　しかしよく考えてみると、政治の一番の目的は日本の社会をよくすることであって、そのために最善の人を総理が大臣に指名をして行うのがベストであるはずだ。大学教授でも他党の議員でも身分は何でもいいから、日本をよくするための人事が自由にできる仕組みづくりが求められるのではないだろうか。もし他党（自民党など）の議員が総理に指名された場合はレンタルという形で貸し出し、その議員が自民に戻ってきた時には普通に仕事ができる環境整備も当然必要だ。
　私もはじめは今回の与謝野氏の行動が一見自分勝手で野心的にも見えたが、それは「以前と主張を変えた」（情勢に応じて変えなければそれはバカであろう）とか、「みんなの党を離党して義にかけるやつだ」といったやくざの世界のような義理人情を最優先させる低レベルの見方と同じであったかもしれない。社会制度が危機的状況にある日本は社会を長期的に安定させるための最善の方法を早急に行っていかなければならず、与謝野氏は自分の能力と経験を生かし下世話な批判を一身に受けつづけようとも日本のために道筋をつけてくれようとしている。べつに大臣の椅子などはいらないが、自分の考えを推し進めるためにしかたがなく大臣になるだけだろう。私心や政治家同士の偽善的な人間関係などを捨て、命をかけて国や国民のためだけに頑張る。政治家の理想だ。
　自民党の石原幹事長は、次の国会では与謝野氏の政治姿勢攻撃を強めると述べている。小沢氏への攻撃も続くだろう。また次の国会でも政策以外の議論が延々と続けるつもりだ。これが健全な政治のあり方なのか。自民党は政治の邪魔ばかりしており、国民生活よりも政権の座につくことで頭がいっぱいのようである。