成人式の意義

　各地で行われた成人式の様子がテレビで流れていた。おもちゃの日本刀を振り回したり履物をステージに投げつけたりしている若者は論外だが、インタビューで抱負などを聞かれた一般の若者？の態度や発言内容も、一人残らずふざけた高校生のようであった。テレビ局がそのような人々のインタビューだけを選んで放映したのかはわからないが、私が各テレビ局で見た２０人近くの若者達はそうであった。大人として落ち着いて誓いを胸に刻んでいるような人はまったくいなかった。
　３０年程前までは、成人式というと人生の先輩である市長や来賓の方々から話をいただいて、厳粛な雰囲気の中で若者が大人の仲間入りをする決意をもつ場でもあった。しかし、成人式におけるごく一部の暴力行為がマスコミ報道によって全国的に広められ、その結果「成人式」というものが、大騒ぎをしたがる若者でも楽しめるイベントのような性格へと変わっていった。なぜ、大人たちは今の幼い若者に迎合をするのだろうか。それを直してやるのが大人達の役目ではないか。そうしないと成人式に若者が来てくれないというが、それでもまったくかまわないだろう。
　昨日、阿蘇市長は演壇でＡＫＢ４８の歌を大声をはりあげて歌ったり、ステージから飛び降りてパフォーマンスをしたりしていた。バカ騒ぎは、大人の決意をさせる厳かな成人式の後のパーティーなどでよい。若者は年々精神的に低年齢化していると思うが、それを支え助長させているのは今の大人達の態度である。