NHKで放映されている『龍馬伝』で、龍馬が殺害されるシーンになったとたんにどこかの地方知事選の選挙結果のテロップが画面上部に2行程出た。私も見ていたが龍馬暗殺のシーンがよく見えないしテロップが気になっているうちに最も大切なシーンが終わってしまった。最後の最後にやってくれるなあと思った。
 これに対するNHKの言い訳は次のようなものであった。
「報道機関として当選確実と判断できるものは速やかに放送することが、視聴者や有権者の関心に応えるものと考えています。なにとぞご理解を」
 これは詭弁である。その時間全国放送において、より多くの「視聴者や有権者の関心にこたえるもの」はなんだったのか答えてもらいたい。たとえ県知事選が行われた県民でさえ、知事選の結果は3分位遅れてもいいから龍馬暗殺のシーンをテロップ無しで見たいと思ったのではないだろうか。
 NHKは正しくない理由をつけて「なにとぞご理解を」と言うが、それは無理というものである。感覚どころか能力まで疑われるような言い訳を言うくらいなら、視聴者からのクレームを無視をして何も言わないでいたほうがまだよい。
 どんな場合でもそうであるが、「とりあえずの自己弁護」は、失敗に失敗を重ねる結果になることが多い。黙っていたほうがいいのである。