中国事件から得た教訓

　日本企業フジタの社員４人が、中国に拘束されていた。スパイ容疑は、中国では最高で死刑になるそうだ。日本大使館は４人への接触も拒まれている。完全に人質だ。
　中国は自分の思いを通すためには、適当な理由をつけて日本人をいくらでも捕まえて殺していける国だ。そして、その逮捕可能な日本人は中国に何十万人といる。
　中国は他の先進国と異なり民主主義体制の国家ではないことを忘れてはいけない。中国の体制を変えるか戦争に突入をして勝つ覚悟がなければ、中国のやることに逆らうことはやめたほうがよい。

　しかし、その他の打開の可能性として、日中友好の扉を開いた田中角栄の側近だった小沢氏が総理だったら、中国とうまく話し合うことができたのではないだろうか。
　全員野球の素人集団の恐ろしさはこういう危機状態の時に出る。「仲良く」だけではだめなのである。菅氏を支持した国民や議員は、総理職の重要性がこれでわかったことだろう。また、マスコミや国民に人気のある宮崎のそのまんま知事が総理だったら、あるいは発言権を持ったらこのような時に日本はどうなるか、想像もできたであろう。「地方が疲弊云々」だけでは、国家の運命を担う総理などにはなれないのである。
　今回の事件の結果を導いたのは、元をただせば国の現指導者達を選んだ国民やマスコミがつくったものだと思う。選挙の時、地元のために橋を造ってくれたから投票したとか若くてさわやかだから投票した、あるいは生理的に小沢氏が嫌い（弱くて未熟な人からみると自分と違いすぎて嫌いなだけである）などということではなく、百戦錬磨の交渉力や経験に裏付けられた抱負な知識を持った人、国家が危機の時でも適切に対処、改善していく人を議員として選んだほうが国のためによいと思う。
　以前小沢氏は、中国に何百人もの議員を連れて中国の首相と一人一人写真を撮ってもらい、親交を深めた。もしかしたら、このような事態の時にでも話し合いの余地を残すことを念頭に置いた行動だったのかもしれない。