高齢者の所在

　リュックに入れた母親の骨を持っていたということで，息子が警察の調べを受けている。生活が苦しく，葬式代がなかったとのことだ。母が死んだ時やその後の息子の気持ちを考えると胸が痛む。
　お金持ちのボンボン都知事は，日本は家族が崩壊しているとか，葬式もしてやらないでここまで日本は落ちたかとか，姥捨て山云々と声を荒げていたが，電気代も葬式代も無く，腐敗した母を洗って骨だけ持っていてあげるしかできない人も世の中にはいるのである。そのような人を悪く言うのではなく，そうさせている社会を悪く言うべきではないだろうか。
　年金の不正受給が目的で殺したわけでもあるまい。人として自分が生きていくために，不正に母親の年金を使っていたのだろう。違法行為なので罰を受けることになるのだろうが，母親の骨を持っていたことを責めては気の毒である。