三原氏が初登院の際に,「バサバサと切っていく強い国会議員もいらっしゃいますけれども、私は常に血の通った国会議員でいたい。皆さまと同じ目線で、初心を忘れないようにしたい」と話していた。とてもいい発言をしてくれた。この言い方は,日本人が日常よく使うパターンのごまかしである。この発言から自分自身を知り,今後に役立てていけそうである。
 この発言は一見何もおかしく無いように聞こえるが,バサバサと切ったものが血の通わないものであったとしたら,バサバサと切ってくれたことは大変血の通った行為となる。つまり,バサバサと切っただけで,切ったものが国民にとってよくないものと判断することは適切ではない。無意識のうちに思い込みや適当な前提を最初に示し,それに基づいて自分の話を展開していくことにならないように気をつける必要がある。

 あえて突っ込んでいうならば,三原氏は「バサバサと…」という悪意を含んだ表現を使っている。そうなると,話の前提を正しく云々以前の問題で,能力や性格の面で相手は議論ができない状態にあると判断せざるを得ない。しかし,このような皮肉交じりの言葉を相手にぶつけるパターンも議論において日本人がよく行うことである。
 
 三原氏の発言から学ぶ,他人と議論を行う時に気をつけること。
①相手が間違った,あるいは適切で無い前提をもってきて,自分の都合のいいように話を展開していこうとしていないか。
②相手は,議論が目的か,言い争いに勝つことが目的か注意をして話を聞く。後者であれば,こちらが真面目に一生懸命話すことはやめる。