埼玉の県職員が女子高生から痴漢扱いをされて捕まったが,一貫して否定し続け,先日無罪の判決が下った。男性は安堵の気持ちから泣き崩れたということだ。もちろん女子高生は無罪であるし,この男性が受けた社会的・物理的・精神的被害を補償することを求められたりもしない。すごい話だ。このような流れでいいのだろうか。
 捕まえた時や取調べの時,男性の話などはまったく信用されなかったのであろう。いくら「痴漢」に関わる話であっても,駅員も警察も検察も,女性を有利に扱うことは間違いである。痴漢を憎む男性だってたくさんいる。自意識過剰な女性やおかしな女性もたくさんいる。だから一定の権力を持つ者はまず先入観や偏見を捨て,性別・年齢・服装などに関わらず全ての人を平等に扱わなければならない。両者の言い分の一致や逃亡行為,目撃者の存在,科学的(物的)証拠等がないのに身柄を拘束することは,それこそ職権乱用の犯罪行為である。 
 全ての成人男性は,この県職員と同じ目に合う可能性がある。それは今日や明日だけではない。一生続いていく。運を天に任せたくじ引きの様なものだ。当たったら終わりである。女性専用車両は差別的なので廃止するべきだ!不愉快だ!と言う男性もいるが,私は,電車が混んでいる時には女性全員に女性専用車両へ行ってほしいと思っている。何もしていないのに,何年も裁判で苦しみ,仕事がなくなり,家庭が崩壊し,最後に牢屋に入るようなことは御免である。
 
 このように書くと,「だって痴漢がいることは事実じゃない!男性が悪い!」と逆切れする女性もいるだろう。このようなプライドが高くて自己中心的な女性がいるから男性が無実の罪になる可能性が高くのなるのであるが,それはさておき,たしかに痴漢をする男性がいることはまちがいない。しかし,だからといって残りのほとんどの男性が現状のような扱い方をされてもよいという論理は筋が通らない。