国はアメリカ軍基地の移転先を鹿児島の小さな島などを含め現在検討中であるが、鳩山総理は移転には地元住民の理解と合意が必要だと述べていた。しかし、「我が村や市に移転してきてもいいよ」とか「我慢するよ」と言ってくれる住民は日本中どこにもあるはずがない。私も自分の市にはアメリカ軍基地が絶対に来てほしくない。でも、来たらしかたがないと思っている。日本の軍事戦略上、大規模なアメリカ軍基地が朝鮮半島や中国の近くにないと国そのもののが危うくなる。アメリカ軍がいてくれても、韓国や中国はじわじわとわが国の領土(島)を奪いつつあるのである。
人が住んでいない土地に移転できるならよいが、その土地がないのであれば、日本を他国から守るためにも地元住民の合意なくして基地を作ることもやむをえない。国全体や他国のことまで考えていない市民にいちいち聞いていたら、まとまるものもまとまらない。
政治は現実である。全体的に見てベターな結果が求められる。そのためにある程度一部の所に求められたとしても、それはしかたのないことである。
総理は市民の声を最優先させる必要はない。しかし、①「迷惑」を押し付ける地域を探すのではなく迷惑そのものをなくする努力をする、②他の場所に押し付けるとしても十分なフォロー(例えば、その地域の住民への何らかの税金免除とか夜間飛行禁止とか引越ししたい人への補助金など)をする、ということは大前提としなければいけない。