今日8月15日は終戦記念日である。テレビで、特攻隊がアメリカの船に向かって突撃している映像が映っていた。特攻隊員は、家族に自分が特攻隊であることを隠して、飛行機で出発していったそうだ。原爆が落とされ、戦争が終わった。
 アメリカが原爆を落としたことは正しかったのか間違いだったのか、この時期になると、ルーティンワークのごとく議論が始まる。正しいという意見は、原爆を落とさないと日本は降参せずもっと日本人の犠牲者が出た等という理由で、間違いという意見は、一般市民をあまりにも多く殺し後々まで後遺症が残る放射能の兵器を使った等という理由である。
 どちらもその通りだと思う。では結論は?となると、どちらを選ぶかということになる。様々な意見は、それぞれの立場や視点から成り立っている。立場がかなりはっきりしている場合、話し合いで一つの結論に至ることは難しいし、お互い譲歩して結論をまとめあげるものでもないだろう。
 よく、「後に歴史が判断する」ということにも賛成できない。100年単位の歴史で見れば、視点をどこにおくか、ころころ変っていくことだろう。500年後には、大昔のように人を殺してもよい弱肉強食の世界になっていて、戦争なんてぜんぜん悪いものではないと判断されるかもしれない。
 基本的な立場を持っている者同士が、視点の違いのやり取りを一生懸命に行っても、いろいろな立場があるということを双方がわかっただけで、結論が出ないことがある。