お菓子の「白い恋人」で有名な北海道の石屋製菓が、賞味期限を1か月長く改ざんして販売していたということだ。「白い恋人」以外でも、同社のアイスクリーム類やバウムクーヘンから大腸菌群や黄色ブドウ球菌が検出された。
 石屋製菓では、記者会見であやまり、自主回収することを発表した。自主回収するということは、例えれば恐喝で他人から取った物や泥棒で盗んだものを「返す」ということで、行った行為の罪を償うこととは別の話である。期限切れや悪い菌が入ったものを売り、食べさせた責任、国民の食に関する不安を増長させた責任はとらないつもりなのだろうか。「すいませんでした」の数語の言葉を発せれば、日本はそれでなんでも許される社会なのだろうか。いや、泥棒をしたら、盗んだ物を返しても逮捕されるはずだ。国民が、直接この会社に責任をとらせるような行動をとることは現実的に難しいので、警察等が対応を変えて、責任をとらせたほうがよいと思う。
 食品会社による賞味期限延長や産地偽造など、ばれなければ何でもできるという体質は、このままではなくなることはない。また、食品会社自身だけではなく、今回の石屋製菓に対する警察や社会の対応も、「どうぞまたやってください。ばれたら「すいません」のひと言で許しますから。」といった、同種の事件を助長させる対応で、社会もそれを認めている。これではよくない。
 再発を防ぐ1つの方法として、この種の犯罪はミスや勘違いでは起きない犯行であるし、計画性・組織性を伴うものでなので、故意に賞味期限延長や産地の偽装を行った食品会社は会社を倒産させる(会社の名前を変えただけや合併などは認めない)というように法律を変えればよい。「倒産は罪が重すぎる!」という人がいるかもしれないが、その発言は「またやってもいいよ。」といっていることと同じである。やらないなら、会社倒産の罪でもまったくかまわないのだと思うが、それでは何か困るのであろうか。
 政治家や行政、会社などが、ミスや失敗ではなく、「故意」に悪いことをして誰かに悪影響(損害等)を与えた場合、「行動の責任をとる」ということが、社会からなくなりつつある。社会にとって非常にまずい傾向である。