「絶対ということはない」。などとよく言われる。絶対ということがないなら、「絶対ということはない」ということも、絶対にそのとおりだとは言い切れず、「絶対ということはある」ということになる。
 考えるに、条件をつけてそれに当てはまるかどうかを問う時などは、「絶対にその通りだ」ということが生じてくるように思われる。例えば、「現在、なぜ日本では1+1が2となるかというと、それはペアノの公理に基づいているから。」ということは、絶対に正しい。
 漠然とした一般論や考えなど、無限に近いような数の要素が絡み合っている内容を言った時に、例外を出されてそこを突かれ、「絶対ということはない。」といった言い方をされて、煙にまかれてしまうのだろう。