２４時間テレビ

　まもなく日本テレビで２４時間テレビが行われるが、その中で行われるマラソンを見ていて、いつも「おかしいなあ」と感ずる。あのマラソンは、視聴者に感動を与えるために行われているのだと思われるが、それであっているだろうか。
　もしそうだとすれば、不純であり愚かなことだ。「感動」とは、そのような扱いをする対象ではない。感動は、ある人が自分の目的に向かって必死にがんばっている姿を、他人が勝手に見て感動するものだ。他人を感動させること自体を目的として行っているようなふざけた人はいないだろう。仮にいたとしても作られた感動なんて本物の感動ではない。だから、「感動をありがとう。」という言葉もおかしい。自分のために一生懸命にがんばっていた本人は、他人からお礼など言われたくないもないだろう。感動とは、よこしまな気持ちが介在せず、純粋なものである。
　このようにいうと、「１００キロ走ることが、その人にとっての目的だ！」と言われる人もいるだろうが、では１００キロ走る目的はいったい何であろうかという話である。
「さあ、みんなで感動しよう！」、「感動をめざして、みんなでがんばっていくぞ！」というのは、非常に違和感を感ずるし、下劣な行動に思えてしかたがない。