オリンピックや国際試合を見ていて思うのだが、日本は技術だけに気を配っているように思う。
 先の冬季オリンピックでメダルが期待されていたスピードスケートの岡崎朋美は、試合直前に風邪を引いて全力を出せなかった。サッカーの中村俊介もワールドカップ前に体調を崩してしまった。マラソンのQちゃんは、寒さを予想していなかったり食事による体力不足なので、時々負けてしまう。
 一生に一度あるかないかの大試合の前に風邪を引くなんて、受験前の高校生以下のレベルである。受験生はマスクをしたり栄養管理をしたりして風邪を引かないように十分気を配っている。
 日本では、オリンピック村に事前に人を派遣して、部屋の温度管理状態や湿度、食事の様子、飲み水、外との温度差、風呂場の様子など、調べさせたのだろうか。
 いくら技術が優れているとしても、体調管理や精神コントロール、作戦などを無視しては、メダルや優勝杯を手にすることは難しいだろう。荒川静香は、誰よりも技術が優れていたから、金メダルを取れたのではない。だれよりも綿密にこれらを個人でやってきたから金メダルを取れたのだと思う。