議論や話し合いの際、どうしてもかみ合わなかったり口論に移行し始めたりすることがよくある。その原因がよくわかる例を見つけたので紹介する。
 北朝鮮のミサイル発射問題に関し、韓国は「無理に日本のように未明から大騒ぎする必要はない」との声明を発表した。「未明から大騒ぎ…」という言葉には、「長時間大騒ぎするために朝早くから」と言う意味があるが、日本はそうするために未明から大騒ぎをしたのではなく、未明に発射されたから発射された時刻から騒ぎ始めたのである。午前10時に発射されていたら午前10時から騒ぎ始めたのである。日本の報道を行き過ぎたものと印象付けるごまかしの論理である。韓国は北朝鮮に対して融和政策を採っているので、日本に対する反対の気持ちが言葉の端々に表れてしまうのだろう。
 このやり取りから、話し合い上非常に重要なことが示唆される。つまり、人は、「自己の強い思いによって、わずかに(多くの人が気づかない程度に)現象の解釈を歪曲し、話し合いの大筋を自分の論理に持っていこうとする」ことがよくあるということである。これは、我々の日常の話し合いにも非常に多く見られ、建設的ではない議論が行われる大きな一要因でもある。
 現象が発生した理由や背景などを自分の思いによって作り上げ、それを事実として相手に提示することは、議論では戒めなければならない。