社会の常識やルール、その時点、その地域における道徳に照らして、それはよくないぞ!ということがたくさんある。例えば、経理の人が公金を横領したり、ある人が他人を殴ったりといったことは、日常的な出来事として起こっている。
 そういったことが起こった時、加害者に対して、「何でそんなことをしたんだ!」とみんな言うであろう。そうすると加害者は、その言葉どおりに、行動を起こした理由について一生懸命話し始め、自己弁護タイムが延々と続く。人によっては、逆切れもする。しかし、「何でそんなことをしたんだ!」という言葉は、やった理由を聞いているのではなく、なぜあなたの理由を、社会の中では絶対的な「法」より優先させるということをしたのかという理由を聞いているのであろう。やった大まかな理由は予想のつくものであるのに、あえて聞いているのである。だから、加害者は、行動を起こした理由を話すのではなく、法に優らせた理由を話すのが論理的であると思う。
 加害者は、個人的な理由が客観的に法に優るものであれば(まずそういうものはないのだが)、その「優る」理由について話し、それがなければ起こした理由を自己弁護っぽく話すのではなく、謝罪の言葉のみを述べるのがいいだろう。