学校によって、教員同士の陰口や悪口が多いところと、まったくないところがある。陰口(ひそひそ話)のある学級がどのような学級かを振り返ると、職員室での陰口がある学校がどういう学校か想像できると思う。
 初任の学校の影響は大きいので、初任者にはそのような学校には行ってもらいたくないと願うばかりである。初任から5年ほど陰口のひどい学校にいた先生が、誰よりも痛烈に生き生きと陰で先生方の悪口を言うようになったのを見た。この先生は、この春に他の学校に転勤していった。この先生がこれまでいた学校は、この先生を一人前に立派に育て上げ他の学校に送り出すんだなあと、涙が出るほど悲しくなった。
 陰口が言える人にこのようなことを言うと、「言われるくらいあの人はひどい。あんな人ははじめてみたから、言われてもしょうがない。」という。しかし、それはその人の個人的な意見である。実は本人がひどい人で、その人から見ると誠実で正しい人が別人のように見えていたのかもしれない。心の底で劣等感を抱いて不愉快に思ったのかもしれない。
 私の経験では、傾向として、地方の沿岸や田舎出身の元気教員に多かった。敵か味方かに分け、相手が自分の思ったとおりにならないと、始まるのである。
 初任者には、陰口を言わないようにするのではなく、言えない人になってほしい。