色即是空、空即是色とは、般若心経の教えである。世の中の現象の全ては永遠ではなく仮の姿ということだ。だから一つひとつのことに極端に一喜一憂することを戒めている。永遠に続くわけじゃないから悲しみすぎたり喜びすぎたりするなということだろう。
 しかし、ものすごくいやなことがあった時や、すごく悲しいことがあった時は、人間の感情として嫌だと思い、悲しくもなるだろう。「色即是空、空即是色は真理である」といわれても、感情を消し、なんとも思わないように出来るものだろうか。他の事を考えて嫌だなあと思わないようにしたり、へんな理由付けを無理にして自分自身を納得させて悲しまないようには出来るかもしれないが、現象は縁による仮の姿だからという理由で、気にしないようにできるのだろうか。1千万円盗まれたら、正直がっかりするだろう。
 教えはその通りだと思うが、どうもすっきりしない。