郵政公社の認識

認識というのは、何かと比較して構成されるものである。つまり、何と比較するかによって認識も異なる。
　竹中平蔵氏が「国家公務員は楽だ、民営化から逃げている。」と発言したことに、日本郵政公社労組は抗議しているそうである。竹中氏の発言は、まったくその通りの発言だと思う。郵政公社の人は、雨の日も雪の日も郵便配達などをしていることを振り返って、「楽なんかではない。」と言うだろう。竹中氏は、民間会社と比べて、「楽だ。」と言っているのだろう。竹中氏の発言の文脈から、この場合民間企業と比べて言うのが適切である。
　雨や雪が降っている時に外に出て働くのは、会社の営業マンや工事関係者にとっては当たり前のことであるし、怒られもせず何も考えずに自転車かバイクに乗って漫然と郵便を配達していることと、夜の１０時に「あと２時間で５００万円集めて来い、集めるまで絶対戻ってくるな。」と（冗談ではなく）怒鳴られている都市銀行員とは、精神的にも物理的にも天と地の差がある。銀行以外の会社でも、利益を得るために、ものすごい苦労をしている。苦労をするから利益が上がり、民営化する意味もある。
　郵政公社のみなさんは、「自分達は楽をしてこなかった。」などと軽々しく怒ったりするものではない。民営化をし、血を吐くような大変な思いをして、国の将来のためにがんばっていってもらいたい。公務員以外の会社員や自営業者、中小企業の人たちも、みんな命や職をかけてがんばっているのだから。
　自分達だけは・・という考えは、今の日本の危機的な状況下において通用しない。