「実はな、Mさんに会った。」
冗談かと思われたまさきの言葉、僕たちは釘付けになった。いつも冗談を言うときは、間髪入れずウソでーすと笑顔を振りまくのにしばらくの間黙ったままだった。神妙な面持ちのままこう続けた。
「お母さんは、事故で死んでないらしい。マフィア達に強制労働をさせられているってMさんが、言ってた。」
なんであの時の夢なんて見たんだ?
ベットから起き上がり、カーテンを開ける。雨の日の朝は、ものすごく寂しい。日差しが無く、空が泣くとはよく言ったものだ。コンクリートの濡れた匂い、じめっとした空気、好きではないがどこか憎めないところがあるきがする。
高2になった僕たちは、同じ高校に進学していた。りょうは、理系へ。僕とまさきは文系。クラスは違えど、登校や下校は一緒にしていた。今日も集合時間が迫る。
いつも通りに、商店街の端っこの自販機の前に2人はいた。足取り重く、学校へ向かう。りょうが、眠そうな声で言った。
「おい、検察の冤罪事件ニュース見た?」
まさきが
「え?なに?」
僕が
「あー今日の朝刊の一面だったわ。それがどーした?」
「いや、その冤罪だけでなく、事件をうやむやにしてたって言う噂を聞いて。」
りょうが鼻をぽりぽり掻きながら言った。
「あーあーそりゃもーダメだ」
何も考えちゃいないまさきが言った。
「それがなんだって言うんだよ?」
僕がきいた。
「それが、8年前からなんだよ」
「それって、、!」
「そーだ、俺たちの母さんがいなくなった年だ。」