大変に優秀な大学卒業し、わずか3ヶ月で退職、この事業所にきたNさん。病む前に逃げたのは確かに賢い対応かも。
やはりNさんもここにきてホッとしている様子。
Nさんバンドもしたり、なんと今度のマラソン大会に初チャレンジ。事業所枠で出場されるそう。
早速師匠から案内メールが届いている。
バンド、楽器、マラソンいずれも私は遠い世界で師匠と近い存在にそれだけでもモヤる。
「いつも冗談ばっかり言ってはるからー」そうか、私が事務所から離れてる間に早速しっかりコミュニケーションとってるんだ。さすが師匠。
事務所に帰ると早速賑やかにみんなで話す師匠の声、黙って聞いてるしかないし、みんなと楽しく話す師匠を見ていたい。やっぱり私の携帯を覗き込んで記録をふざけて読み上げる。だけどこちらに向けて何か言われたら、皆の前で揶揄われたらもう居られない。
事務所の空気が穏やかなものになるように人を置いてけぼりにしないようにやはり私にも「ねえ、Yさん!」と話しかける。記録に集中して何を話しかけられたのかはわからない。だけどまたこれ以上話の輪の中に入ると何を言われるかわからない。
「あーうるさいうるさい」とふざけつつ席を離れる。本当はみんなの中で話しを聞きたいけど。やはりもうこわい。揶揄われることが。みんなの中で容姿を揶揄われるのは辛すぎる。
席を離れて記録を書き上げる。
あまり不愉快な空気をまかないよう、記録を書いている師匠に近づき同じように記録を覗き込む。
やはり私の老眼と乱視では携帯の記録は読めない。
近づてきた私に師匠は少しホッとしている。
なんとなく察している事務のIちゃん「記録できましたー?」と声かけしてくれる。
「コーヒーもらっていいですか?」と私のインスタントコーヒーをねだられる。師匠も欲しいかなと思いつつ、声かけられない。「俺も欲しい」と言われ入れてあげる。「Yさんは優しいですねー」とIちゃん。多分前回の揶揄われる場面でもIちゃんはそばにいてて、多分私が傷ついたこともわかっている。
それでも師匠に寄っていく私にヒヤヒヤしながら見ていると思う。
コーヒー淹れた後
「なんかして欲しいことあったら手伝うよ」という師匠の声かけ。
早速昨日仕上げだ計画書の添削してもらう。
師匠の大きなシミ一つない美しいしなやかな手を眺める。きれいだ。触れたい。
一瞬で添削してくれる。
そばにいれる、横にいれることだけでもこんなにも
心が震えている。決して結ばれないのに。仕事上の結びつきしかないのに。それがあるだけすごいことなんだけれど横に立っていられるだけで、一緒の空気を吸えるだけですごいことなんだけど。そんなことを思いながら横に立つ。
ずっとそばにいたい。
髪の毛引っ張ってみる。今回は嫌がらなかった。「何するんですか」とも言わなかった。仲直りしてると思っているのか。
それでも私の中では悲しみが募る。