とある歌の歌い出し

日本の未来は思うツボ

僕らの明日はタコツボ

僕はこのレースのアンカーマン

期待がかかる

 

「思う壺」とは【意図した通りになること】【企み通りに事が進んでいる状態】このような意味だろう。思う壺ではあるけれども会心の笑みやほくそ笑むといった感じではない。

続いてこう歌っていく。

 

 

疲れ切った親父達が

築いた世代を渡された

希望の上をゆく現実

ひるむわけにはいかない

 

時代がいつかきっと追いついてくれるだろう

僕は僕の走り方で完走してみたい

バトンをつかんで駆け抜ける 

時代の真ん中を

 

生まれた時から それぞれの

レースを押しつけられてた

そろそろ僕は僕のレース

自分で選びたい

 

バトンがいつも絶対正しいわけじゃない

僕は僕の走り方で完走してみたい

バトンをつかんで駆け抜ける 

時代の真ん中を

 

決められたゴールはいらない

 僕はまだ疲れちゃいない

決められたコースを飛び出した 

この街のアンカーマン

決められたゴールはいらない 

僕はずっと走っていたい

決められたルールに背を向け 

この街のアンカーマン

 

令和や2023年、最近の歌ではありません。

1989年に発表された歌です。

 

ECHOES「アンカーマン」

(6thアルバム『Dear Friend』7曲目)

作詞作曲を手掛けた辻仁成が29歳の時

この歌が発表されるほんの少し前、

僕はついに二十歳になっていました🎉

 

 

この歌詞になぞらえると当時の僕は...

 

疲れ切ったオヤジたちからバトンを渡された、気持ちだけはいっちょまえ(一人前)社会を分かったつもりでいる世間知らず、でも時代の最先端ど真ん中にいた、青臭い若者世代でした。

 

いつの間にかに、いつだろう?

バトンを渡したのかそれとも落としたのか、放り投げたのか奪われたのか、自己評価で間違いなく、くたびれているしんどいオヤジになっています。※「疲れ切った」とは言いたくなかったようです。 “くたびれているしんどい” の方が悲壮感醸し出してるような気もしますが...

 

だから

でも

 

 

もうとっくに若者ではない僕に、この歌が今尚、語りかけてくるメッセージがあり響いてきます

 

この歌のアウトロで

この言葉が繰り返されます。

 

So wild wild side, wild wild side

野性の道をつっ走れ 

Walking on the wild wild side

 

参考

walking on the wild side は、このアルバムに収録されている「zoo」(のちののち自身がシナリオ担当したドラマの主題歌に起用、2000年にちょっとヒット。ドラマのヒロイン菅野美穂もカヴァー。「zoo」は元々は1988年川村かおりへの提供曲)のアウトロで登場

 

 

辻仁成は、オールナイトニッポンを担当していたことがあります。月曜深夜第2部です。オールナイトニッポン月曜といえばみゆきさんです。

みゆきさんから「威勢のいいあんちゃん」と言われたことがあったようです。(うろ覚え)

 

そんなみゆきさん1988年の歌

Rolling' Age 淋しさを

Rolling' Age 他人(ひと)に言うな

軽く軽く 傷ついてゆけ

 

Rolling' Age 笑いながら

Rolling' Age 荒野にいる

僕は僕は 荒野にいる

 

1988年アルバム『中島みゆき』

最終曲

 

この歌詞は十代の僕に突き刺さり、永らく

座右の銘となったと言っても過言ではありません

 

 

「僕はずっと走っていたい」

「野性の道をつっ走れ」

 

「淋しさを人に言うな」

「軽く軽く傷ついていけ」

「笑いながら荒野にいる」

 

 

ローリングと言えば...

 

ローリング30 動けない花になるな

ローリング30 転がる石になれ

 

過ぎ去った過去は断ち切ってしまえ

青春の長さ測るものはない

身体より老けた心など持つな

流れゆく時に逆らって泳げ

自分のカラを突き破り

愚かな笑顔など見せるな

 

振り向いた昨日に恥じないように

仰ぎ見る明日に恥じないように

ローリング30 動けない花になるな

ローリング30 夢吹く風になれ

 

 

「ローリング30」作詞:松本隆

1978年 吉田拓郎

2枚組オリジナルアルバム『ローリング30』1曲目

松本隆29歳, 拓郎さん32歳

 

僕が(後追いで)二十歳前後に初めて聴いて当時「かっこいいなあ」と思ったこの歌は、今尚ぐっとくるというか、こっ酷く叱られた気分になってしまいます。

ハッと目を覚まさせられます。

グランドに倒れているところにバケツいっぱいの水をぶっかけられる感じです。

 

 

ローリング30 動けない花になるな

ローリング30 夢吹く風になれ

 

夢吹く風になれ、と言えば...昔の風

 

 

誰もがみんな同じ足取りでスキップしてさ

誰もがみんな昔の風にすがりついてさ

だけど今度僕らが窓を叩く番だぜ

だからおさらば 1969

 

「時代は僕らに雨を降らしてる」長渕剛

1982年同アルバム1曲目

長渕剛25歳

 

昔の風にすがりついてないで

夢吹く風になりたいものです

目の前に窓があるなら

...どうしようか

 

参考

1969はCHAGE and ASKAの「NとLの野球帽」(1996年)にも出てきますね

参考ここまで

 

いやでも ひとつずつみんな大人になってさ

だましだまされ 臆病になってきた

踏み出すことをためらう時は終わった

出航まぢかの世代がもうそこまで来てる

ああ 時代は僕らに雨を降らしてる

 

この歌も若者の歌だったと思うのですが、今むしろ言葉の重みがより伝わってきます。

 

若い頃に心を貫いた言葉が

いま自分が歳を重ねてより真に迫って感じる、

 

と思った今日でした。

 

 

 

 

おまけ

だけど今度僕らが窓を叩く番だぜ

 

窓...と言えば、壁

 

 

君の目の前に 悲しい壁があったら

こわせ ぶちこわして 表へ飛びだし

裸足で歩いて 新しい世界をつくれ

 

「新しい地球をつくれ」チューリップ

1972年『君のために生まれかわろう』1曲目

財津さん24歳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舵の壊れた俺は何処へ行く

迷っては壁の写真に見つめられる

 

失くしたものは景色だけさ

一緒に歩かないか

 

「NとLの野球帽」1996年

作詞・作曲:CHAGE(表記は当時)

『CODE NAME.2 SISTER MOON』10曲目

 

 

 

 

秋からのツアーで歌うと思います

 

 

 

ここまでありがとうございました