若手社員「部長、お取込み中/誠に恐れ入ります。ご相談があります」

部長「ん?」

若手社員「一念発起、一大決心で『書き置き』をしたためました。部長がお好きな浜田省吾や中島みゆきの、CDの歌詞カードみたく英語も併記しようと考えています。そこでなんですが【旅に出ます。捜さないで下さい】の場合の【旅】は、Travel,Trip,Tour,Journey, どの単語を採用すべきか今ボクはコンビーフしてます。どうか助けて下さいえーん

部長「旅の前にまずコンフューズだよ、そこは」

 

 

 

【travel】

Go To キャンペーンの是非はさておき、トラベルからはワクワク感が想起されます。休日を満喫するような感じ。行く先は勿論決定済み、その旅先での予定もてんこ盛り。遠慮なく堂々と心の飽食を貪るのが許された時間である感じがします。

 

時間旅行する時の旅人=タイム・トラベラー、気ままというよりは何かしらの使命感に突き動かされているような気がします。 

 

トリッパー(←カタカナ変換してくれません⇒【と立派ー】になります汗)なら甲斐さんでしょうか。ソロ・シングル「NIGHT TRIPPER」です。ステージでスタンドマイクをクルクルとお手の物でさばく感じ(笑)

 

拓郎さんの「落陽」(作詞:岡本おさみ)の主人公は旅人だと思われます。が、しかし、トラベラーという感じはしません。トリッパーもしっくり来ません。

 

また松山千春「夢の旅人」やコンセプト・アルバム「季節の旅人」へトラベラーをあてがってもいけないでしょう。ドリーム・トラベラー,シーズン・トラベラーと変換しても相当な抵抗感に違和感しかありません。「そもそもその必要がない」「英語にはあてはめられない感覚・心情である」といった猛烈な誹りの嵐も予感されます。

 

「心の旅」はどうしたものだろう。マインド・トラベル?ハート・トリップ?ずえんぜんっ(全然)ダメ・即却下です(笑)

 

ざっくりと日本人の心情を垣間見るような気がします。

 

 

 

【trip】

トリップ。チャゲアスのシングル「Trip」 and  -ごめんなさい、←なぜ謝る?(笑) ⇒ - AKB48の「LOVE TRIP」を思い出します。この2曲。トラベルに比べて、行く先が未だ定まらず答え(終着点)を求めて漂っている彷徨ってる様相です。知らず知らず答えに引き寄せられていく導かれていくような幻想的な情景が浮かびます。

 

♪涙も溜まらないうちに また恋の迷路 手を引かれて行く 心の隅にある守れない場所 言葉のやさしさで 崩れ始める そこからは入れ替わるシルエット

(「Trip」作詞:飛鳥涼)

 

♪僕等の知ってる街は どこへ行ってしまったのだろう 空地も丘も消えてた 見たことない景色が広がる 記憶を修正しながらいつしか大人になってしまった 過去か未来か? I wanna go love trip 時間の彼方へ Love Trip 帰ろう I was there, love trip 君はどこにいる?

 (「LOVE TRIP」作詞:秋元康)

 

あぁ、そういう面だとトラベルは、行って帰ってくる安心安定の行程が用意可能な所作なのかもしれません。

 

 

寺尾さんの「喜望峰」(作詞:松本隆)に

♪旅立つ場所に戻って来るのが俺の旅さ そんな気がする、

という歌詞があります。けれどもこれはトラベルという感じが全くしません。「喜望峰」で歌われているのは、柵(しがらみ)や纏わりつくモノを振り切り、そして彷徨い続け、ついに辿り着いたのがたまたま出発点だった、という感じです。

 

「Trip」「LOVE TRIP」「喜望峰」。それぞれ胸の中に風が吹きます。誘われる感じがします。胸の痛みに突き動かされながら。

 

♪世界地図壁に貼り 行方はピン投げて決めるのさ 遊ぶみたいに生きてる男が一人いてもいい そんな気がする

 

「喜望峰」や「落陽」。海が想起されます。

 

 

 

 

【journey】

浜田省吾『Journey of a Songwriter』(2015年)。歌を作ってその作品と歌声を届けようと各地を転々とする(してきた、これからもしていく)人生・自身を象徴した表現だったと思います。トラベルは出発点と目的地の往復行動withワクワク。トリップは行く先を決めず・決まらず、あてどなくさまよい続ける感じ。 ジャーニーは・・・

 

♪The Garaxy Express 999 will take you on a journey. A never ending journey. A journey to the stars. 「銀河鉄道999」

作詞:奈良橋陽子(英語)

 

長渕剛「碑」

♪君はこの先 どこへ行くのか 

あてのない旅は いつまで続く

トラベルでもジャーニーでもなくトリップにこそより近い印象。 同じく長渕剛ですが「俺らの旅はハイウェイ」、こちらがジャーニーな感じがします。

 

浜田省吾も長渕剛も、ジャーニー界隈のトップバッター・松本伊代も歌うのが仕事ですが(伊代ちゃんは過去形w)、ジャーニーとした場合【わくわくした落陽】な感じです。←全くワカンナイですよね涙。

 

「落陽」(作詞:岡本おさみ) 

♪しぼったばかりの夕陽の赤が 水平線からもれている 苫小牧発・仙台行きフェリー あの爺さんときたら わざわざ見送ってくれたよ おまけにテープを拾ってね 女の子みたいにさ みやげにもらったサイコロふたつ 手の中でふれば また振り出しに戻る旅に陽が沈んでゆく / この国ときたら賭けるものなどないさ だからこうして漂うだけ

 

 

 

 

【tour】

ツアー。コンサート・ツアー。ジャーニーは、偶然や契機を楽しみ気の向くまま各地を転々とする感じ。比べて、ツアーは、計画を予め立て点と点を線で結んで完走を目指すイメージ。確固たる意思、明確な目的が常にあり一つ一つ実現していく。

 

松山千春「TOUR」。

♪旅先でめぐり会う優しき人達 

どうか貴方の人生に幸多かれと 

私は歌う 愛の歌 私は歌う 人間として 

←こんな感じ。

 

コンサート・ジャーニーだと「え?いつ?どこでやるの?」と困ってしまう感じがします。参加したくても「いつ?どこ?」と困難を極めそうです笑

 

 

 

【トラベル】は何かの合間の息抜き・心を喜ばせてあげる催事、目的地へ向かう。期限を設けている。心を満たした後、出発地と日常へと戻って行くことまで決めている往復行動。

 

【トリップ】は重点的最優先に往路を行く。なにかと不安定。舞う。さまよい続ける。答えを求めて。

 

【ジャーニー】は往路も復路も決めず転々としていく。飽く迄転々とする。行く先々を噛みしめ偶然を楽しむ。

 

【ツアー】はある目的のもと複数の訪問先を予め決め、人に逢いに行く。

 

ちなみに【ボヤージ(voyage)】は有無もいわさず海。大海。四方八方、海と水平線のみの視界・時間。

 

 

 

上記、実際には品詞・語法による事情が存在します。ネイティブな人達の使用ルール、場面、意味、に著しくそぐわない個人的解釈を与えています。上記は個人的感想文です。

 

 

【trip】辞書的説明

比較的短期間の移動。

take a trip は娯楽・行楽。 make a trip なら仕事や業務。またgo on a trip around the world で「世界一周旅行へ出かける」という表現もあります。

 

 

 

若手社員「単語にこだわるのはよそうと思いました。敢えて英語で表そうとしたなら、今の僕の気持ちを客観的により鮮明に把握出来るかと思っていたんです。なのに大事なことを見落としてしまっていました」

部長「そうか。【旅に出ます。捜さないで下さい】は、いつになく大事(おおごと)のようだね。で、今度はどんなミスをしでかしたのか聞かせてくれないか?俺がなんとかする。大丈夫だ」

若手社員「部長えーん!。名探偵並みの洞察力、そして根底にある優しさに号泣です汗

部長「もう君のミスは私のアクセサリーみたいなモノなんだよ」

若手社員「あ、それ知ってます!【裏切りや嘘は女のアクセサリーさ】ですっけ?コナン君の名言ですよね爆  笑

部長「ルパンだっつーの」

(続く)

 

 

圧巻の歌唱力。

「迷宮のReplicant」を続けて聴きたくなります。

 

 

ちゃんと歌ってます。2021年。

シングルでは指原さんがセンターだったような。

 

 

 

寺尾さんならこの曲が1番好きかもしれません。

ソワソワしてしまいます。掻き立てられます。

 

 

ちゃんとシングル・レコード持ってます!

頑なでありたくなります。

 

 

カラオケで歌いたくとも英語の部分で頓挫(笑)

物語の世界観を凝縮した主題歌として完璧な1曲。

 

 

 

円熟の「落陽」。猛ります。

 

 

作曲はふきのとうの山木さんです。

哀歌、愛唱歌の一つです。

 

 

 

今日もここまでありがとうございましたニヤリ完了