「今日はどうされましたか?」

「昨日から胃の辺りが るんるんしてるんです」

「るんるん?」

「何かこう壺の中に半分くらい入っている脂がタプタプしてるような…」

「なるほど。ちょっと失礼、お腹を見せて下さい。強めの胃薬を処方しましょうか…アレルギーはありますか?」

!? め、目薬ですか!? センセイ…」

「い・胃薬ですよ。(…この患者さん、脳内がるんるんしてるな)」

 

 

 

----

 

お猿さんやカピバラが特設の♨温泉に浸かっている姿を見て「ほっこりしますね」…という言葉遣いが登場しそうな場面があります。

 

この、ほっこり 

 

1991年11月15日発行

『新村出編 広辞苑第四版第一刷』

を引いてみますと…

 

 

①あたたかなさま。ほかほか。

②上方方言 ふかし芋。

③もてあまして疲れたさま。

 

…とあります。

①については狂言で

②については東海道中膝栗毛に

登場しています.

 

結構、歴史由緒ある言葉です。

 

③の意味で使うと冒頭るんるん状態で伝わらなさそうです。「昨日から胃の辺りが妙にほっこりしていて気持ちがよくないのです」。

 

 

 

 

 

emotional から来た

エモい

≒心を揺さぶられるような、

 

と同じく「ほっこりする」は日の浅い若者言葉なのかな…と常々思っていまして、調べてみた本稿。僕はこの“ほっこり”は口にして来ていない人生です。※自分の“そういう”気持ちの状態を言葉に変換する時に“ほっこり”は未使用、という意味です。 ここ数年の間で、誰かが口にするのを耳にするようになった、という印象なのです。

 

 

因みに(ちなみに)、エモいなど

○○い

 

そのベテランは…

 

 

ダサい(ださい)

 

 

“野暮ったい、洗練されていない意を表す俗語”という説明で先の『広辞苑第四版第一刷』(1991年)に掲載されています。

 

1985年発表の長渕剛の「明日へ向かって」に“ダサい”という言葉が登場しています。

 

 いつくらいからの言葉でしょう?

 

“ださ” とは何なんでしょうね? “田舎” の読みを “タシャ → (さらに馬鹿にして?方言で?)ダシャ” と読めるところから、あるいは、「だって埼玉だから」を縮めた言い方(これは後付けにもほどがあると思います)…など幾つかの説がありますが、はっきりとしていないようです。

 

 

 

 

僕が小6の頃、クラスで

エロい

その最高峰の意味で

“エロ神(えろしん)”

 

…という言葉が男子女子問わず大流行しました(笑) 

 

突出して素晴らしいという意味合い、称賛で

“神”という言葉が使われることが現在あります。

 

昭和の頃の六年生の僕のクラスで流行った

“エロ神(えろしん)”

 

僕等は、かなり時代を先駆けていた子供達でした(笑)

 

 

絶賛する時の「神」という使い方の一般化は、

- あくまで僕個人の印象で - 

漫画「DEATH NOTE」(2003年12月連載開始)の流行と共に、以降広く使われて来ているような感覚を持っています。繰り返しておきます、僕個人の印象、感覚、実感です。

 

 

 

今年俄かに流行った言葉に

 

エビデンス

 

があります。…ありそうです。

 

「純情エビデンス」

2020年12月16日発表

もはや顔を見て名前が浮かばない

モーニング娘。'20 

( 汗 数名は分かってしまいます)

(モー娘。は西暦を毎年更新して付けるようになっています)

 

 

 

 

参考に。

 

「右足エビデンス」

2015年12月23日発表

誰? 

 

2015年のAKB48グループのジャンケン大会で優勝した 藤田奈那 という娘のご褒美シングルです。全然知らないですよね?僕もそうでありたかった。

 

 

もしかして今お読みいただいている貴方様が

ああ、やっぱり、この人は(=僕は)

本当にAKBやハロプロが好きなんだな、

と思われているとしたら…

間違っています。

 

 

AKBやハロプロだけではありません、です(笑)

 

 

 

○○い

代表格、

 

キモい

 

ウザい

 

 

ウザいは “うざったい” から来ていると思ったら

“うざったい” も 『広辞苑第四版第一刷』(1991年)には未掲載です。※うざったい、は2001年の長渕剛の「勇気の花」の歌詞を思い出します。

 

参考うざつく

小さいものが多数集まって動く。

…ここから来ていると説明されたら

僕は納得出来ます。

 

 

 

○○い

 

これでもか!と歌ったのが拓郎さん。

 

 

人間の「い」 

 

2003年11月21日発表『月夜のカヌー』10曲目

 

じれったい 抱きしめたい

うしろめたい いとおしい

許せない いくじがない

信じていたい 心地よい

 

ぎこちない 口づけたい

やりきれない にべもない

おこがましい 味気ない

あられもない いさぎ良い

 

冗談じゃない うばいたい

つめが甘い 人がいい

やぶさかでない うかがいたい

正直じゃない もどかしい

 

それが欲しい

それがしたい

それが 望まし うらやまし

はしたない 恩きせがましい

それが恥ずかし おくゆかし

人間の「い」

僕達の「い」

いつだって「い」

これからも「い」

 

 

さりげない 結ばれたい

ふがいない そつがない

みもふたもない いじらしい

とりとめもない 古くさい

 

そそっかしい 離れたい

そこはかとない ういういしい

喜ばしい たわいない

てっとり早い つつがない

 

いさぎよい しらじらしい

心もとない こそばゆい

理屈っぽい つまらない

長ったらしい ゆるぎない

 

まわりくどい おぞましい

まぎらわしい ありがたい

ふてぶてしい きなくさい

残り少ない 生きてたい

 

それが欲しい

それがしたい

それが 望まし うらやまし

はしたない 恩きせがましい

それが恥ずかし おくゆかし

人間の「い」

僕達の「い」

いつだって「い」

これからも「い」

 

 

人間の「い」

僕達の「い」

永遠の「い」

命がけの「い」

 

 

最高にカッコいい拓郎さん。

この歌唱の拓郎さんは魂を揺さぶります。

 

 

エモいは勿論のこと、

ダサい

ウザい

エビデンス

ほっこりする

…は使いたくない、使うまい、と思っています。

 

称賛、絶賛する時の「神」も同様なんですが…

これは使ってしまった記憶、自覚があります。

 

※念の為ことわっておきますと他人が使用するのは別に気になっていません、気に障っていません。

 

 

 

ここまで完走、完読くださいまして

有り難いことこの上なしです。