一緒に過ごした 時の長さが
愛というものを 伝えるとしたら
いつもいない僕が 愛してないと思うかい
流れる涙を そっと拭いてくれる
この手のひらが 欲しくてたまらず
側にいない僕を 責めてみるのかい
菜見子 空見子 聞こえますか
父は未だ 旅の途中
翼もないのに 空に憧れている

言葉で確かめ合うこともなく
静かなことが 幸福だとしたら
いつも二人に僕は 幸福を待たせてる
幸福なのかと尋ねるたびに
幸福ですよと 言葉を返すほど
きっと僕の妻は 不幸福に違いない
菜見子 空見子 聞こえますか
父は未だ 徘徊つづけ
帰りたいと言えずに この道歩いている

愛されていると 思わなくていい
愛していると 気づかなくていい
どんなに遠くいても 家族なんだから
菜見子 空見子 聞こえますか
父は未だ 夜に眠れず
おまえたちの事 想い出している

 

 

最近の鉄矢さんのコメントは狙い過ぎている印象があって胸に響かない瞬間が多々あるのですが、海援隊の時の鉄矢さんは間違いなく真情の抽出と表現に秀でている詩人だったと僕は思っていて非常に好きです。中牟田さん、千葉さんの生み出すメロディがこれまた非常によいです。 これは解散前の海援隊としての最後のアルバム『だからひとりになる』(1982年)の最後に届けられた「家族」という曲です。

 

 

拓郎さんは先頭を爆走、風を吹かせていた

…ような印象。

 

鉄矢さんは、

同郷の陽水さんやチューリップの面々(やっぱり主には財津さん、ドラムの上田さんは元海援隊)や、後輩にあたる甲斐バンドをこれ以上ないくらいに見せつけられて耳に届いて聴かされて、内に強烈にこびりついた羨望と嫉妬と焦燥と反骨心を表情や態度には決して出さずに道化を演じて、言葉・作品を足腰にして地を行き日本をまわっていた…ような印象。… …とか偉そうに講釈垂れましたが、僕が本気で海援隊を聴き始めたのは「贈る言葉」でも「人として」でもなく、それ以降の本当に最後の活動時期の後追いでしたが(笑)

 

 

 

鉄矢さん作のシリーズ映画『刑事物語』は、断然 “2りんごの詩” が好きです。