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今回はアルバム『 I dream 』について振り返ってみました。

 

チューリップ通算15作目のオリジナル・アルバム。

 

なんといっても名曲中の名曲、

静かなる反戦歌

「 I dream 」 が傑作だと思います。

歌詞も曲名も秀逸であると感じます。

 

動くことのない不確かなもののような 名詞 dream ではなくて、

dream を 動詞扱いにして

その主体・主人公として主語 I を示した

『 I dream 』というタイトルに

財津さんが込めた

この曲への思いが伝わってくるように思います。

 

「夢」とするのではなく

「夢をみる」としたところに、

絵空事(えそらごと)なんかではない

淡く儚いものとしない、

穏やかながらも

強い意志が伝わってくるように思います。

 

 

 

 

前々作のアルバム『 2222 Picnic 』収録の

「生まれる星」にはこうあります。

 

喜びも 悲しみも 捨ててしまおう

ただ 流れる 河のように

幸せに なればいいんだ

 

幸せを 探すのは 止めてしまおう

幸せな 身(からだ)になってしまおう

 

NO.909 ふたり乗せた

宇宙の船は 走る

NO.909 光 超えて

今 そこに 生まれる星へ

 

人と人なんて 異質(ちが)うものだから

解り合う 必要はない

君さえ ここに 居ればいい

人と人なんて どこか似てるものだから

解り合うなんて 必要はない

 

 

… ともすると難解で閉鎖的で

どこか厭世的な印象を与える歌詞かもしれません。

財津節というか財津哲学といったところでしょうか…。

※ちなみにライブビデオ『 8・11PAGODA 』に収められた

この「生まれる星」の後奏の同じメロディの繰り返し16小節は

第2期チューリップの名演中の名演だと思います。

 

 

さらに前作『 Halo 』収録の

「The Halo 」では

 

物語はいつも何気なく始まるもの

これもただの小さな星の物語

 

 

僕らが住んでるこの星は

昔は地球と呼ばれてた

何故地球は亡びたの

誰が地球を壊したの

 

…と歌っていました。

 

 

 

そして、今作で、

財津さんの辿り着いた地平

「 I dream 」 。

 

“神様はいる” と一言 みつめたね

この頃 ぼくも思うよ “幸せはある”と

 

毎日続けて不思議な夢をみる

どこかで君が待ってる そんな馬鹿な夢

 

美しさや優しさが少しずつ

地上から消えてゆく

そんな気がする時は 君に逢いたい

 

歪んだ心で時々傷つけた

気付かなかった この僕許してくれるね

 

青空が青すぎて 泣いてしまったり

戦争(たたかい)が今日もまた

人々を倒したら 君に逢いたい

 

どんな孤独にも いくつの悲しみに

微笑みながら生きると 心に決めたよ

誰より君を愛した ぼくが居ればいい

 

 

最初の2行

最後の3行が

たまらなく好きです。

… … いや、それだけじゃないですね…

全篇に渡って好きです。

 

 

発表当時の音楽雑誌は、

このアルバムを

“宇宙からの帰還”

…と評していたことを思いだします。

 

TULIP 第2期は、

売れようとか

売りたいとか

売れなきゃならないといった野心・雑念・商魂からは、

一切解放されていて

信念に満ち溢れた孤高・至高の完成度を誇っていたと思います。

 

その頂点中の頂点が「 I dream 」だと思います。

 

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それまでの作品に散りばめられた宇宙志向から

収録曲「愛の迷路」「恋は素顔で」「黄昏モノローグ」「夏は終わらない」

のタイトルがあらわすように身近なところにテーマがフォーカスされています。

 

 

 

「行ったことはないけれど、多分こうなんじゃないかと思って作った曲です」

…と45周年のライヴで財津さんが、曲前のMCで紹介していた、宮城さん曲、

「エジプトの風」

行ったことはないけれど行っているような気にさせてくれる

説得力のある、アルバムの1曲目を飾った爽快な曲です。

アルバムの1曲目が財津さんでないのは非常に珍しいパターンです。

この曲のグループ内での評価の高さがうかがえます。

 

生まれてきた愛娘に向けて歌われた、姫野さん曲、

「この小さな掌~詩歩子へ」

胸に染み入る切ないメロディです。

 

 

本物を捜すのさ 偽物は目立つもの

正直に生きるのさ それだけで 翔べるのさ

…と教えてくれる「“Feel It”」

 

幻想的なアレンジが印象深い

「たったひとりのオーディエンス」

 

当時のラジオ番組で宮城さんが好きな曲と言っていた

「冬の街」

 

 

このアルバム全体の雰囲気は、

チューリップ第1期のアルバム

『 Upside - down 』

を非常に彷彿させます。

まさに宇宙からの帰還です。

 

 

 

 

 

 

 

財津さんの快復、復活を心より祈っています。

 

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。