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THE 10th ODYSSEY (紙ジャケット仕様)
2,571円
Amazon |
“生まれたときからずっとぼくらは宇宙の子供です”
…というフレーズが
レコードの帯に書かれていた
チューリップ通算12枚目のオリジナル・アルバム。
鍵盤に背中を向けて座り
宇宙を眺めている裸の赤ちゃんの姿が
とても印象的に思えるジャケット・ワーク。
10th は、デビューして10年目を迎えたことをなぞらえています。
ぼくは Tulip が好きなのです。
だから結局、
どのLPレコードについても、
説明・解説を試みると
“凄くいい作品です”、、、となってしまいます。
でも受ける印象・胸に残る感動は、
作品ごとに、一枚一枚異なります。
違いを言葉で表現しようとするのが結構難しい。
本来は、上手にこなす必要は全くなく
自分ひとりで鑑賞して楽しめばいいのですが、、、
主観的でありながらも
やっぱり少しでも チューリップ の良さを再確認してみよう
と、思う次第なのです。
… … 今のいまは、
こうする他に僕に出来ることはないと思うからです。
70年代の第1期チューリップは
地面にしっかりと足をつけて歩いていくような
生活感、人生観、、、が滲み出てくる、、、
陳腐な言い方だなぁと思いますが、
土の匂い、泥臭さがあったと思います。
そして、胸にじ~んとくるような。
※ただしアルバム『 Someday Somewhere 』は洗練されていて
かつ、どうしようもなく胸を締め付けられるような気持ちになります。
…そんな印象です。
それに対して、
80年代前半までの第2期 TULIP は、
宇宙船に乗って
地上を眺めたり星を目指したり
未来を見つめたり平和について考えたり…するみたいな
荘厳さを感じさせるような曲が散見されるようになります。
70年代風のアレンジとは違った、
あか抜けたサウンドの違いも
感じる印象に影響を与えています。
アルバム『 THE 10th ODYSSEY 』に漂う
透き通るような透明感はTULIP史上ピカイチだと思います。
前作『 THE LOVE MAP SHOP』 の
最後に収めた「 Shooting Star 」を手始めにして、
「 THE 10th ODYSSEY 」「地球の空から」で
スケールの拡大、壮大なテーマへと
舵を切ったように思われます。
♪僕らの 地球は
海が とても 大きくて
青い 色だよ
愛も 夢も 咲いていたけど
このごろ どこに 咲いているのか
君たちの 星に まだ 緑は あるかい
君たちの 星に まだ青空は あるかい
「地球の空から」より
とは言っても、
「君」と「僕」が主人公の恋や愛の歌も健在です。
『 THE 10th ODYSSEY 』収録の好きな曲。
「めぐり逢いは想い出」(作詞:財津和夫 作曲:宮城伸一郎)の悲しさ・切なさは秀逸です。
↑宮城さんの評価をググッと急上昇させた一曲だと思います。
「たとえば I LOVE YOU 」( 作詞作曲:伊藤薫 )
♪いつか絵葉書で 見た街まで
思い出話を 作りに出かけよう
明日きっと 天気だね
…という歌詞が好きです。
2020/04/25 追記当ブログ内 記事 ふと、たとえば I LOVE YOU
「虹とスニーカーの頃」を彷彿させる「渚に佇んで」(作詞作曲:財津和夫)。
「街は黄昏に抱かれ」(作詞作曲:財津和夫) の清々とした透明感
♪でも君をいつも許してしまう
…と、いつも恋人に翻弄されてしまう男の様子を爽やかに歌いあげています。
↑この曲は著書『私のいらない』の中で好きな曲の一曲としてあげています。
…で、またまた隠れた名曲があります。
「ささやかな子守歌」(作詞作曲:財津和夫)。
およそ3分ほどの短い曲ですが、
心を洗ってくれるような優しいメロディ
財津さんの透き通るような高音
生まれてきたばかりの我が子へのまなざし
…を歌ったこの曲は出色の出来栄えだと思います。
「青春の影」や「切手のないおくりもの」のように
老若男女から広く愛されていい楽曲だと思います。
*ちなみに、この「切手のないおくりもの」は、
いろんな歌手によるヴァージョンがあって
トータルでは、な・なんと100万枚の売り上げを超えているとのこと
( ウィキペディアより)
余談。
同時期にオフコースは『 over 』というアルバムを発表しています。
そのなかの1曲「愛の中へ」で小田さんは
♪誰にも似ていない あなたはあなたで
…と歌っています。
一方、財津さんは「 THE 10th ODYSSEY 」で
♪どこか僕と似ている君
また
♪ ぼくらを乗せた舟は 風と嵐と
陽の光と 闇を抜けて
季節の中を 流れてゆく
「愛の中へ」より
♪ この船に目的(あて)はない
この船は永遠(とわ)の船
かけぬける かけぬける
過去も未来も 飛び越えて
「 THE 10th ODYSSEY 」より
小田さんと財津さん、
このシンクロニシティ、コントラストに
にんまりしてしまいます。
※グループ活動の終焉を迎えたのも同じく1989年でした。
財津さんの快復、復活を心より祈ってます。