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無限軌道(紙ジャケット仕様)
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オリジナル作品としては5作目。
ともに前年の1974年発表の
前作『ぼくがつくった愛のうた』
前々作『TAKE OFF -離陸』は
全体的に明るく派手で若々しく賑やかな作品だったと思います。
この『無限軌道』と
同年12月に発表した『日本』は
バンドとしての転換期を自ら示し、
息の長さ・引き出しの広さと深さを決定づけた
記念碑的作品だったんじゃないかと思います。
1974年の2作の発表に続いての
1年の間に『無限軌道』『日本』の2作のリリース、
その充実度は、凄まじいと思えます。
74年と75年の2年で4作のオリジナル・アルバムのリリース…
いずれも高評価を与えることが出来る、
個々の好みが分かれる色合いを出したアルバム群だと思います。
『TAKE OFF』には「青春の影」
『ぼくがつくった愛のうた』には表題作および「私のアイドル」
『無限軌道』には既発とはいえ「サボテンの花」
…といったスタンダード・ナンバーを財津さんは量産しています。
これまたファンだからこういう評価を与えてしまうのですが、
そして、どのアーティストにもそういう時期があると思いますが、
本当にこの時期の財津さんは、
まさに神ががっていたと思います。
しかも全然ピークじゃなかったという…
『 無限軌道 』 収録曲
1 心を開いて
2 私は小鳥
3 愛のかたみ
4 たえちゃん
5 もしも僕が
6 おいらの旅
7 一人がいいさ
8 サボテンの花
9 生きるといふこと
10 ある昼下がり
11 人生ゲーム
ファンからの人気が高い(と僕は思います)「心を開いて」。
この歌に癒され勇気づけられ励まされたファンは
相当たくさんいると思われます。僕もそのひとりです。
♪一度っきりのこの人生は
僕の心しだいだと解ってきたからさ
この一曲があるだけで、
このアルバムは繰り返し聴きたくなるのでした。
30周年、35周年、40周年のライヴでもセットリスト入りを果たしていました。
根強い支持がある(と僕は思います)「私は小鳥」「愛のかたみ」。
※「愛のかたみ」はファン投票によるリクエストアルバムにも収録されました。
福岡地方に伝わる春歌をベースに財津さんが補作詞を加えた
大作・問題作!の「たえちゃん」。
大作と言ったのは演奏時間がおよそ11分にもおよぶから。
問題作と言ったのは歌詞が倫理委員会のチェックに引っかかり?
演奏中、その歌詞が聴けなくなるように叫び声とピアノの音をかぶせているから…
後年、↓では、叫び声とピアノ音をかぶせていないオリジナルがようやく日の目を見ました。
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アンソロジー1~レアトラック集
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話が脱線しますが、
この『アンソロジー』には、
アルバム『 Someday Somewhere 』に収録するはずだった
「虹とスニーカーの頃」のオリジナルヴァージョンも収録されています。
このオリジナルを聴くと、世に出たシングルヴァージョンが
いかにあか抜けて洗練されているかがよく分かります。
レコードではここからB面です。
安部さんのもこもこ声が微笑ましく聴ける「もしも僕が」。
THE BEATLES を彷彿させるアレンジの「おいらの旅」。
40周年のツアーではセットリスト入りを果たしています。
財津さんが数ある自作の中で好きな曲と言った「一人がいいさ」。
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私のいらない ~「心の旅」のいま (廣済堂新書)
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↑この著作の中で触れています。
おなじみとなった「サボテンの花」。
幾度となくレコーディングされて色々なヴァージョンがありますが
やはり一番はこのオリジナルだと思います。とくにイントロ。
非常に地味ながらも名曲の域に達していると
個人的には思う「生きるといふこと」。
同じく姫野さん作品の「ある昼下がり」。
そして7分におよぶ力作「人生ゲーム」。
♪幸せなんかが あるならば
それは なぐさみのことだろう
知らない国へ 行ってみたい
昔夢見た 魔法の靴で
コンサートでは財津さんのハーモニカでアップテンポに転調して
さらに客席との掛け合いをして盛り上がる一曲。
「私のアイドル」で
♪人生の 悲しみを 歌っては
客席を 拍手で うずめた
…とありますが、それを地で行った、これらの
「生きるといふこと」~「ある昼下がり」~「人生ゲーム」
の3曲の並びが僕は好きです。
財津さんの快復、復活を心より祈っています。