明日香『おてんばさん』

ECHOES『EGGS』

一枚目(上段)が 明日香さんのファーストアルバム『おてんばさん』(1984年)。

二枚目(下段)がECHOESのラストアルバム『EGGS』(1990年)。

 

明日香さんはヤマハのポプコンで最優秀賞受賞で「花ぬすびと」で1982年デヴュー。

辻仁成さん率いるECHOESは1981年結成で1985年メジャーデビュー。

 

特にこの二組に接点はない。ただ当時ぼくが好きだっただけだ。

 

車で父の実家へ向かうさなか、カーステレオで

まず『おてんばさん』、次に『EGGS』を流して家族全員で聴いていた。

 

おてんばさん』を聴いて父も母も、この人の歌いいいね、誰?と評価が高かった。※「中国街夢幻(チャイナタウンファンタジー)」「So long」が家族全員一致の好きな曲。

 

続いて流したECHOESで…。。。。母と父の表情が曇る。。。

EGGS』の1曲目表題の「EGGS」は “さよならMOTHER” という歌詞・メロディが繰り返される。2曲目の「Shot Gun Blues」に至っては “真面目に生きてたらお前を失ってしまう” “優しさが邪魔になる”“素直さが邪魔になる” “時には情けを捨てて裏切ってみたい” …という歌詞・メロディが強烈だからだ。

 

でも「EGGS」は、“もうじき僕は生まれる” “自力で僕ははい上がる” “気力でなんとか食いしばる” という自分の弱さに決別して自立しようとする歌だと思い、ぼくは好きなのである。

 

Shot Gun Blues」は、“粉々にふっとばせ 愛がまだ信じられると思っている俺を” と今の自分の甘ったるさと現実との狭間の葛藤に苛立ちもがき苦しみながらも、強くなりたいと叫んでいる歌だと思い、僕はたまらなくこの曲が好きなのである。

 

物事の全体像・根底に流れるものを感じ取れるかどうかは難しい。

 

その経緯や背景を知っているかどうかや、分かりやすいかどうかでも全く印象は変わる。

 

今年、上半期、ある女性タレントは有名であるがゆえ、ものスゴイ勢いと数で意見が真っ二つに分かれているのは周知の通りだ。 彼女をよく知る人は比較的彼女よりで、ただ知っているだけの人の間でも判断は二分されている。


 

もともとの人柄で判断する人。言動で判断する人。直観(直感)に従う人。世間の意見に同調ないし逆張りする人。 さまざまだ。

 

どれが正しいとか間違っているとかは、当たり前だが個人の自由だ。

 

だから受ける印象・感想は、その人のその時の判断材料の質と量によって左右されるのだと思う。

 

横道にそれたが、ぼくは「EGGS」や「Shot Gun Blues」とくに「Shot Gun Blues」の優しさや素直さや愛への対峙の仕方に強く惹かれる。

 

言葉は難しい。 一言、二言で評価されてしまう時もあるからだ。

 

いちいち “文章” “全体” “言外” “行間” “根底”…にまでいつも思いを馳せられるわけではないからだ。

 

第一印象は侮れない。 相手がそう思ってしまったら、説明・言い訳・誤解を解くのは難問だ。

 

だから、第三者の意見に耳を傾けられる余裕も欲しい。

 

自分の感性・直感を否定はしたくないけれど、自分を疑える思慮深さ・慎重さも兼ね備えていたい。

 

…だから、僕は、嫌(イヤ)だな・嫌いだなと直感的に思ってしまったものにはもうちょっとだけ触れてみる、調べてみるようにしている。 そうやって自分の感性を評価・研鑽したいと思っている。 やっぱり嫌いだなと思うものもあれば、自分が間違っていた・迂闊だったなと反省させられることもある。 嫌いから好きに変わるととてつもなく魅力を感じるようになれるのだが、、、反対に、嫌いなものは徹底的に嫌いになってしまい触れないようにしようとするのだが、、、これがなかなか難しい。。。。

 

↑「Shot Gun Blues」は、そんな葛藤・苛立ちを歌っているような気がするから好きなのです。

 

粉々に ふっ飛ばせ 愛がまだ信じられると思っている俺を

 

辻仁成さんは、中山美穂さんの元旦那、古くは知らない人も多いかなと思うが、女優の南果歩さんの元旦那、

サラサラヘアの人でしょ? …みたいな知られ方をされてしまっているのではないか?と思う時があり、ぼくとしてはちょっと悔しい。

 

つじじんせい” は一流の良質のロック少年なんだぜ!

つじひとなり” は、学校の教科書や入試問題で作品(物語)が出されるほどの作家なんだぜ!!

 

それが“辻仁成” なんだぜ!!!である。

 

ECHOES時代なら「年頃」 「アンカーマン」「デラシネ」「ZOO」「Dear Friend」が収められている『Dear Friend』が名盤。

 

ソロなら “強くなればなるほど僕は一人に戻っていく” “砂漠のサボテンたちよ、花を咲かせてごらん、きっと誰かが君に声をかけてくる” と唄う「サボテンの心」が名曲である。

 

ぜひ聴いてもらいたいなぁ…と思う。 親しみやすいメロディラインと必ずや興感できる印象深い歌詞がたくさんありますよ。


 

※なお明日香さんは、非常に残念なことに2013年49歳の若さで乳がんでお亡くなりになっている。こんなに辛くて残念なことはない。 今でもあなたが残してくれた『おてんばさん』は名盤だと思っています。