篠原美也子さんのデビュー曲「ひとり」を聴いたとき、


それが「篠原美也子さん」の「ひとり」であるのを知るのまでにはかなーり苦労をした。


1993年だ。


ラジオや有線(←今は死語なのか?)で、たまたま何度か耳にする。


とてつもなく、ぼくの気持にすとんと入り込んでくる歌詞とメロディー。


でも… でも、、、 「誰」の「なんという曲」なのかがどうしても知ることができなかった。


…当時は、今みたいに、ネットで検索をかければ


一発でわかるような時代にはまだ到達してはいなかったから、、、


片っ端から“それらしい人?” “それっぽく思える人”を探しまくった。

( 一例で言うと-おんな尾崎豊と呼ばれていた-“橘いずみさん”とか…

… … 橘いずみさんも当時、少しだけはまることになったが… … )


歌手名もわからない、曲名もわからない、人に尋ねてもわからない…


ただ、どうやら、新人さんらしい…ということだけを頼りにして


ようやく


篠原美也子さんというひとの「ひとり」か?


…と思い、8cmシングルを買う。


聴く。


これだ!


…となった。


「ひとり」は決してメジャーヒットした曲ではなかったと思う。


でも、当時、ぼくが、どうしても誰のなんという曲か知りたいと思うくらいに、


一度耳にしたら深く深く印象に残り、また、たびたび耳にしたくらいだから


業界の評価は高かったんだと間違いなく思う。

※にもかかわらず、誰のなんという曲か知るのには本当に苦労した不思議さがあるが…。


1993年だからもう20年以上も前だ。


でも、篠原さんは、決して過去の人ではない。


セルフカヴァーも含めて20枚くらいのアルバムを発表している。


非常に口惜しいのだが…期間限定のレコーディングアルバム、、、


弾き語りのDVDを除いては、ぼくは全て聴いている。


決して篠原さんに限らないのではあるが、


ピアノ一本で歌を届けられる歌唱力と強烈に内省的で気難しい(←最大の賛辞です)歌詞は


ぼくが知る範囲ではNo.1だ。


それは、


1993年から今日に至る彼女の活動、葛藤、挫折、記録、存在、そして言葉が物語っている。




20thのAnniversaryのアルバム『青をひとつ、胸に抱いて』を彼女のHPから手に入れた時、


同封されていた送り状に書かれていた


“ありがとう!”の文字は、きっと篠原さんの直筆であると思いぼくは感動した。




世の中にはいろいろなシンガーがいる。


みゆきさんみたいに、70年代・80年代・90年代・00年代に渡りオリコン一位を獲得した人もいれば、


沢田聖子さんのように地道ながら30年以上、ライブ活動を中心に行える人もいれば、


同じく篠原美也子さんのように、紆余曲折しつつも初志貫徹し歌い続けてくれる人もいる。



ぼくは、歌から垣間見える篠原美也子さんの人間性にとてつもなく魅力を感じる。


…つらいときに、篠原さんの曲に救われたことに感謝と敬意をここに書き記します。


ま・独り言ですが…。。。。