国宝「石上神宮拝殿」で朝拝しました。 | 日中韓文化地めぐりのブログ

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 「石上神宮」は、奈良県天理市にある、由緒ある神社です。ここで毎朝行われる朝拝(朝の礼拝)に参加しました。まあ、2年前の10月の話ですが^^;

 朝拝は国宝の石上神宮拝殿で行われるのですね。そう、この拝殿に上がる事が出来るので参加したのです。






 朝拝は朝の8時30分から始まります。それ以前は参拝客が非常に少なかったですが、鶏が盛んに鳴き声を上げていました。



さて、重要文化財の楼門を潜りましょう。









国宝「石上神宮拝殿


遂にやってきました!国宝の拝殿とご対面~♪屋根が低くてゆったりとした外観ですねえ。

 この建物は、伝承としては1081年に白河天皇から建物を賜ったものとされていますが、大仏様が混じっているので、一応鎌倉時代前期の建造という説が有力なようです。ただ、身舎の柱間が庇のそれより狭いという古風なところもあるので、伝承通り平安後期に建造され、鎌倉時代に改造されたと考えることも可能かもしれません。



受付は楼門の右手にあります。300円を払い、神拝詞を購入。

朝拝では、自分もこの詞を唱えるんですね。





これが神拝詞です。





 裏表にびっしりと詞が書かれています。これを拝殿で神職さんたちと一緒に読み上げるわけです。30分近くかかったかな。参加者は自分だけでした。因みに、神職さんたちはこれを全部暗記していました!





拝殿の内部


 残念ながら、朝拝の写真はありません。礼拝中に写真を撮るわけにもいきませんし。上の写真は皆さんが退場してから撮ったものです。写真のござに横一列に座るんですけど、結構冷えました(10月)。真冬はもっと寒いでしょうね。


 拝殿は5間4面(正面7間・側面4間)、身舎は組入天井、庇は化粧屋根裏としています。入側柱を繋ぐ貫が目立ちますね。あと、身舎の柱には頭貫が入らず、直接天井桁を受けていました。




拝殿正面


 扉を釣る藁座が目立ちます。藁座に扉をつり込むのは大仏様建築とともに大陸から新しく導入された新様式ですね。今は扉が取り除かれ、御簾が吊るされています。これだけで神社の建物の外見になるから不思議です^^ 




頭貫先端には大仏様木鼻を付けております。



楼門の左側には、鎧を収めるマツ材の鎧柩が置いてありました。14世紀のものだそうです。



七支刀

石上神宮で忘れてはならないのは、国宝の鉄剣「七支刀」ですね。

中国の年号で泰和四年(西暦369年)と記されており、大変古いものです。非公開。






 さて、この神社には国宝がもう1つあります。この「摂社・出雲建雄神社拝殿」がそうです。12世紀の建造。

 元々は内山永久寺の鎮守社の拝殿でしたが、大正時代にここに引っ越してきました。屋根にコケや草がびっしりと生えています・・・早く修理する必要がありますが、これはこれでなんかいい感じです^^



 この拝殿は全体に木割が細く、繊細な建物です。蟇股なんかは特に細くて上品でした。自分の最も好きな蟇股の1つですね。




正面5間・側面1間で中央1間を土間とする、いわゆる割拝殿の形態ですが、これは当初からのものではなく、1300年に改造されてこうなったそうです。唐棟がいつから存在するのか分かりませんが、かなり古いことは間違いないでしょう。




 さてさて、石上神宮で忘れてはならないのは、この鶏たちです。色んな種類の鶏が野生化して闊歩しているんですね。そう、現在ではこれらの鶏は、石上神宮の神の使いなのです!




その中でも、最も印象深いのが、この鶏でした。体の色といい、尾っぽといい、最高です。

まさに神の使いと言うにふさわしい佇まいでしたね。





ここの鶏は野生化しているので、木に登るのも得意なんですよ。

そして何と、あの神の使いに最もふさわしい鶏が運良く木に登りました! この堂々とした容姿を見てください! 1枚撮らせて頂きました♪



 石上神宮拝殿で朝拝。特別な行事予定がない限り毎日行っているので、誰でも気軽に参加できます。朝拝し終わって、ピリッと気持ちが引き締まった自分がいました^^


終わり