2000年にワルシャワで行われたショパン国際ピアノコンクールに行った時

そうです、ピアノをやっている方なら誰でもご存じの中国から初の覇者ユンディ・リ

第一次予選を聴いた夜のコンクールツアー参加者の皆さんと会食がありました。

 

そして、それまで聴いたことが無かったキラキラの音とまるで中国雑技団を

思わせるテクニックに衝撃を受けて思わず興奮状態でお話をしてしまいました。

丁度、お隣の席にいらした参加者のお一人は常連の方の様でしたが

「ツイメルマンは如何ですか?」と問われたのです。

普通はコンクールのツアーに参加しているのですから

コンクール好きと思われるでしょう。

実は疑問に感じていたので、自分の目で耳で確かめようと参加したので

普段はそれほど熱心な方ではありませんし、コンクールに優勝したから

「聴く価値がある」とも実は思っていないのでした。

 

「あ、はい。お名前は勿論存じていますが、実は生で聴いたことはまだないのです」と

答えましたら「是非、聴いてみてください」と仰られて、その後

ご自身が編纂された子供用のチェルニーの練習曲集も郵送で送って下さったり

指導者としても有名でツイメルマンの日本に於ける強力な支援者の方でもありました。

 

それから暫くあって、やっとツイメルマンの公演を聴く機会が巡って来て

最初の出会いはブラームスでした。もう得意中の得意のプログラムですので

ズボっと嵌ってしまう訳です。

 

それから何十回と聴きに行った事でしょうか。

出会いも衝撃的でしたが、ファンを大事にする美音のピアニスト

その後の私のピアノ人生に大きく影響したのは当然でした。

もうブラームスを弾かせたら右に出る者はいないのですが、YouTubeで

若い頃のウイーンフィルと共演、指揮はあのバーンスタインです。

ベートーヴェンのピアノコンチェルト、とりわけ5番の皇帝は私のスタンダードにも

なっていました。彼もまたベートーヴェンを大尊敬している音楽家の一人でもありますので。

勿論、最後の三大ソナタも演奏をして下さったりと沢山の思い出があります。

東京にも住まいを構えた情報もありましたが、私は未確認です。

ただ所沢ミューズに行った時はご自身のレンタカーでの移動から

「そうなんだ」と思ってはいました。

でもある理由から離れて3年になり、私の中でポッカリ空席になっていた穴を

埋める若手が日本から登場したのは本当に驚きでした。