ついに 「いずも型護衛艦」 の空母化に向けた改修の詳しい内容が正式に発表されました。

 

以前にもこのブログであれこれ考察していましたが、

 

誰もが予想だにしなかった改修内容として、

 

「船首部分を四角形に改修する」という部分が、多くの人を驚かせたのではないだろうか?

 

 

 

 

護衛艦いずも 空母化についての考察② でもすでに言っているが、F-35Bを発艦させる際には最低でも100mほどの滑走距離が必要であることが、米海軍のワスプ級からの発艦映像を見てわかる。

 

 

通常状態のいずもでこの滑走距離を確保するためには、

画像に示したこの2パターンでの発艦方法が考えられる。

 

 

 

F-35Bの発艦は、当然ながら強力なジェット噴射を伴うため、艦橋部分に近い場所からの発艦は、搭乗員にとっても船自体にとっても、さまざまな危険を伴う。

 

 

そうなるとヘリコプター発着スポットが書かれた部分からの発艦が妥当となるわけだが、画像をみてもわかる通り、途中で甲板に切れ込みがあるため、艦左側からの発艦では船首部分に到達する前に機首を上げて発艦をしなければならない。

普通に考えてこの発艦方法はパイロットにとっては機首上げのタイミングという意味で相当難易度があると思われるし、危険でもある。

 

 

さらに滑走距離を確保するために艦中央部から発艦するため、必然的にヘリ発着スポット3つ分を消費することになる。

 

 

結果論ではあるが、こういった部分も踏まえ、ワスプ級の船首と同様の形状とすることで、滑走距離の確保と、余剰ヘリ発着スポットの有効活用が可能となる。

 

改修後のいずも型護衛艦イメージ

 

 

 

CIWSの位置がどう変わるかは不明だが、戦闘機の離発着に支障が出ない位置に移動されるだろう。

 

 

 

当然ながら格納庫の規模は不変であるし、本来の対潜哨戒ヘリを運用するという任務を放棄するわけではないため、戦闘機の搭載機数は、多くてせいぜい5~6機程度だと予想される。

 

少ないと感じるか、当然と感じるかは人それぞれだが、

 

 

このいずもの改修は、大東亜戦争敗戦以降、空母運用ノウハウを完全に失った日本にとっては、戦闘機を船舶で運用するノウハウを再度獲得する意味で大きな一歩となることは間違いない。

 

このままいけば、日本も正規空母とまではいかないまでも、もっと本格的に固定翼機を運用するために特化した、全通甲板採用の艦を将来導入するだろう。

 

 

中国海軍の勢力拡大は予想以上のスピードで進んでおり、将来的に空母を4隻保有することまで正式に表明している。

しかも4隻目には嘘か誠か、電磁カタパルト搭載まで目論んでいるという。

 

 

そうなれば南シナ海をはじめ、今後ますますの海洋進出に向けた動きを活発化させてくることは自明の理である。

 

 

日本もすでに防戦一方で対抗できなくなっているため、いざとなればいつでも戦闘機を複数搭載した船舶を派遣できる姿勢を明白にすることがより強い抑止力となるのである。

 

 

 

今後の動向に注目したい。