"天なる道"の教えも崩れていき、天の節目である真榊の植え替え時期の隙を狙って、恨み妬みなどで心が拗けハタレ魔と化した者達がうごめき、五月蠅(さはい:五月頃にたかる蠅のうるさい様子)のようにうるさい声の恐ろしさに使いの雉子(きぎす:きじ)も騒ぎ出して、次々と高天原に苦情を告げにやってきました。


高天原で神議り(会議)をしたところ、武甕槌命が進み出て言いました。


「私は背丈が十六丈(約48m)もあり万人にも勝る力もあるのでハタレを討ちたいと思っていますが、ハタレの正体がわからず不審に思っています。」


討つことに賛成をした金折命(カナサキ)も武甕槌命の疑問に対しての答えをわかりかねて天照大神に訊ねたところ、天照大神はこう言いました。