赤ちゃんの国は、空の高い高い所にあって、パパとママの心の準備が出来ると、会いにきてくれる。
十数年前、不妊治療中に病院の待合室でたまたま手にした本に書いてあった。
なかなか、思い通りにならない結果に諦めそうに何度なっただろう。主人と二人の生活も楽しいから大丈夫。子供は…思えば思う程、涙が出てしまった。
もう、心が折れてしまいそうになった時、娘は会いに来てくれた。ママの心を強くするために、ずっと空の上で待っていたんだろうか。
もうすぐ、長女の誕生日。10年目のママになります。スクスク成長してくれて、ありがとう。最近の反抗的な態度にイラっとするけれど、それも成長の証なんだよね。ママにしてれて、ママを強くしてくれて、ありがとうがいっぱいです。
明治生まれの祖母。今は、認知症で寝たきり。もう一度、おばあちゃんから料理を教えてもらいたい。

今は、時短の料理が当たり前みたいに本が並んだりテレビも時短料理を作る人も出る。
私の両親は共働きだったので、普段は祖母が料理をしていた。出汁は鰹節を自ら削る。煮物は、一つ一つ丁寧に下ごしらえをする。手を抜くような事はしなかった。おばあちゃんの味。素材の味がして、でも味は出汁がきいて美味しい。
結婚する時、手抜き時短の料理本を買った。
何て簡単に出来るんだろうと、ウキウキしながら作ってみた。美味しく出来たけれど、何か違う。
祖母の味は、どうしたら出るのか聞いた。

「料理は愛情。手をかけない料理は、それなりの味だよ。基本をわかって手抜きをするのは良いことだけど、何も知らない内から手抜きすれば何かが足りない。手をかけて最初から作ってみるといい。いつか慣れた時に手際よく出来たらそれが時短。手を抜く所はやっている内に覚えるからさぁ。基本を学ぶ事が大事だからね。」と。

さすがに、鰹節は削らないが出汁をとり、丁寧に準備する。基本が15年経った今もまだまだ勉強中。
家族が、ママのご飯が一番美味しいと言ってくれる時が私の幸せ。
これからも、たくさんの愛情を入れた料理を作っていきたいと思う。
パパとケンカをしてしまった。

宿題をなかなかやらない娘にイライラし、早く早くと急かす私に、口出し過ぎる。やろうとしても、ママがそんなんじゃ、子供達がかわいそうだよと。

はぁ!!何言ってるの。じゃあ見てよ。教えてよ。口だけのパパは気楽だよね。と言ってしまった。

呆れ顔のパパ。子供達を連れて外に出て行った。
イライラが止まらない。宿題やらないで困るのは誰よ。ママが言わないと動かないじゃない。急かさないと座ったままじゃないの!パパは、いつだっていいとこ取り。いつだって、いつだって、子供達と遊んでばかり…。甘やかして好きにさせて怒るのはママばかり。

3時間が過ぎた頃、ママただいまーとアイスを買ってニコニコしながら、3人で帰ってきた。
「お姉ちゃんが宿題やらなくてごめんね。ママ怒らせてごめんね。早くママの所に帰ろうよ。ママひとりじゃかわいそうだよって言われたんだよ。つい、ムカッとして子供達連れて出たけれど、いつもひとりで頑張って子供達見てくれてありがとう」と。

私、何やってるんだろう。母親になりたかった私。子供の夢を応援したかった私。娘の頑張りを応援しないといけないのに、またイライラして。
私は、自分の頑張っている姿を認めてもらいたい訳じゃない。でも、本心は自分が頑張って宿題をさせる姿を認めてもらいたかったのかな?私がガミガミ躾いる姿を認めてもらいたかったのかな?すごいママと言ってもらいたかったのかな?

子育ては、誰かに見てもらう為にやるのではない。わかっているのに、わかっていない自分。