【日本ドラマ】『トクサツガガガ 

 

【作品情報】

NHK名古屋放送局の制作によりテレビドラマ化され、NHK総合「ドラマ10」にて2019年1月18日から3月1日にかけて放送。全7回。主演は、本作品が連続ドラマ初主演の小芝風花。
丹羽庭先生の漫画作品。特撮オタク女子の複雑かつデリケートな葛藤を描いた作品。
『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて2014年37・38合併号から2020年24・25合併号まで連載。
主演の小芝は、表情などは原作漫画を見て勉強し、髪形も色々な話し合いをして原作の髪形に近づけ、アドリブが必要な時には原作漫画の吹き出しの横に書いてある手書きの小さな文字を覚えて言ったことを明かしており、特撮好きな助監督の荒川史絵によるアドバイスで、あるあるネタや実在する特撮(アニメ)作品のパロディーなど、分かる人にしか分からないネタをドラマの作中で少しずつ散りばめている。制作統括の吉永証は当初から、本物をできる限りのクオリティーで実現するため、特撮パートも三次元として描くことを決めており、原作漫画に出てくるヒーローたちは「スーパー戦隊シリーズ」がモチーフになっているため、東映の協力を得た。ジュウショウワン、エマージェイソンらのスーツのデザインと製作は、数々のスーパー戦隊を手がけてきた「レインボー造型企画」が担当。ヒーロースーツのマスクも、カメラ映えする緻密な造形と引き換えに視界が悪い「映像撮影用の仮面」と、視界の確保を優先した穴が空いておりヒーローショーで用いられることが多い「アトラク面(俗称)」を、シーンによって使い分け撮影。フィギュアやキーホルダーは、スーツの三次元データを元にミニチュア化、デフォルメ化を進め、武器などのガジェット、DVDパッケージなども、本物に限りなく近づけるよう作り込み、撮影までに約半年の期間を要した。
名古屋市内でのロケが多いが、物語の舞台設定は原作と同様に東京である。ドラマで本物感を伝えるため重要な、劇中劇で展開される特撮パートの撮影は特撮を撮るときのカメラを使い、映像のスピードも印象的な場面は現場でもスローで撮ったりと、東映が普段行う手法で、加工や質感も細部までこだわり再現。特撮パートのロケ地も、東映がよく使用する採石場跡地の岩船山で行われた。スーツアクターには「仮面ライダーシリーズ」などで有名な岡元次郎、ナレーションには特撮好きで知られ「仮面ライダーシリーズ」などにも出演する声優の鈴村健一、助監督には「スーパー戦隊シリーズ」で史上初の女性監督を務めた荒川史絵が参加。最終回には、仮面ライダーV3の主役などで知られる宮内洋が書店の店主役で、岡元次郎が仲村の高校時代の教師役として出演した。

【感想】

何気なくネトフリでチョイスしたら、思わず引き込まれてしまいました。一話から面白い。

何が面白いのか?特オタと人に言えない。だけど、誰かと話がしたい。好きなものを好きと堂々と言いたい。そんな気持ちに共感しました。私も、この年で、趣味は国内外の映画、ドラマ、アニメです。が限界でした。でも、ホンマは、特撮ヒーローも大好きだと言いたかった。言ったら、ドン引きされるのが分ります。自分も誰かに言われたら、素直に俺も特撮ヒーローが好きだと言えるか自信がありません。それをスッキリ解決してくれたのが、このドラマでした。

少し前の特撮ヒーローの主題歌も大好きで、沢山元気を貰えました。「仮面ライダーBLACK RX」

「ビーファイターカブト」など菊池俊輔先生の特撮ヒーロー、アニメの主題歌は本当に素晴らしかったです。一小節聞いただけで何の主題歌かわかってしまう、そしてワクワクしてくる、最近はそんな音楽に出会えないので寂しいです。熱くなれる趣味があるのはいいことです。否定してはいけないのです。

 

 

 

【登場人物】

 

仲村叶 - 小芝風花、吉田久美 - 倉科カナ、北代優子 - 木南晴夏

ダミアン(田宮拓) - 寺田心、任侠さん(松本昌明) - 竹内まなぶ(カミナリ)
仲村叶(なかむら かの)
本作品の主人公で、24歳。東京で一人暮らしをしながら「金城商事」に勤めるOL。職場では女子力が高いと見られているが、実は“女死力”たぎる隠れ特撮オタク。『ジュウショウワン』ではシシレオー推し。自分で受け入れられない要素を子供から排除しようとする母親の影響で一度は特撮を卒業したものの、高校卒業直前の出来事と大学入学後の一人暮らしを機に特撮オタクに返り咲いた。職場での昼食はいつも手作りのお弁当だが、これも節約してDVDを買うため。他人に勝手にあだ名をつける癖がある。
本作品は叶が職場や日常で起こった問題や疑問を、周囲の協力や影響で劇中の特撮作品内容や実際にある製作事情などの「特撮あるあるネタ」になぞらえて理解して受け入れたり、勇気を出して物事に対処する過程がエピソードの胆になっている。
 

【あらすじ】

26歳のOL・仲村叶は、職場では女子力が高いと思われているが、その実態は戦隊ヒーロー『ジュウショウワン(獣将王)』を始めとした特撮全般を愛する特撮オタクであった。叶は幼いころから特撮が好きだったが、叶の母親・志はその女の子らしからぬ趣味を毛嫌いし、特撮を見ることを固く禁じていた。叶も表立って逆らうことなく母親の好む女の子らしいものを受け入れていたものの、高校卒業直前に特撮熱が再燃し、隠れオタクになったのだった。
自身の趣味をひた隠しにして生きていた叶は、偶然同じ特撮好きの吉田さんに出会ったのを皮切りに、多様なジャンルのオタク仲間を得ていく。趣味に対する引け目もなくなり、いつか母親に正直に本心を打ち明けようと思う叶だったが、覚悟を固めきれずにいるうちに、とうとう特撮オタクである事実が母親にばれてしまう。

 

番組はストーリー性の良さから高い評価を得ており、主に観ていたM2層(35-49歳の男性)だけでなく若年層まで視聴者層が広がった。放送期間中は、ツイッターのトレンドワードランキングで何度も1位になり、全7回の放送期間中に計5802件のツイートがつぶやかれ、男性によるツイートが70%を超え、中でも30代男性が多かった[46]。週刊エンタテインメント誌『コンフィデンス』の連続ドラマ満足度調査「オリコン ドラマバリュー」では、初回は100ポイント満点中56ポイントだったが、2話は急上昇して79ポイントになり、3話が82ポイント、4話が85ポイントと回を重ねるごとにポイントを上げ続け、5話では91ポイントを獲得して平均満足度2位になった。ザテレビジョンがSNSや独自調査を集計した指標「視聴熱」のウイークリーランキングでは、初回が放送された週から民放の話題作を凌ぐ人気で、最終回放送日3月1日のデイリーランキングでは、26014ポイントを獲得し1位になった。NHKが視聴者の意見を紹介する『月刊みなさまの声』2019年2月号では、反響が大きい番組として取り上げられ、好評な意見が厳しい意見を大きく上回ったこと、DVD化や続編を希望する声が200件を超え他と比較して多く集まったこと、反響の半数近くが40代以下だったことが紹介された。

受賞歴
ギャラクシー賞 2019年3月度 月間賞
ギャラクシー賞 テレビ部門の2019年3月度月間賞受賞
第56回(2018年度) テレビ部門 奨励賞
コンフィデンスアワード・ドラマ賞 第15回 作品賞
コンフィデンスアワード・ドラマ賞 2019年1月期作品賞を受賞
第100回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 

ザテレビジョン賞(劇中劇「獅風怒闘ジュウショウワン」)